不思議な出来事。。。 | Cozo Cobun Official Blog

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元男子の画家「こうぶんこうぞう」の公式blogです‼️
まもなく30周年です。
30周年個展を企画してくださいさる企業や団体、ギャラリーわ美術館、キュレーターの方からのご依頼をお待ちしておりますコラボも大歓迎‼️

人と人は不思議な繋がりがあると思う。。。

そんな、必然性やご縁、輪廻転生を感じる事が時折訪れる。。。

$こどもの瞳

個展一週間を過ぎた辺りのある日の午後。。。

3月というのにとっても寒い1日でした。

団体のお客様が帰られたと同時に、もう一つの入り口から一人の女性が。。。

「あの~通りがかりで看板みたんですが、絵、見せていただいていいですか?」

「どうぞ、どうぞ、よろしければ鞄を置いてごゆっくりご覧ください。」と私。。。



団体のお客様と喋りすぎで喉が渇いてた私は、自分のお茶とその女性にお茶を入れて
先ほどの団体のお客様にいただいた、お茶菓子を添えてお出ししました。

「よろしければ、お茶どうぞ?」と私。。。

その女性はしゃがんで作品「blue cotton」をこれ以上近づけないってくらいの距離で眺めてて、
私の声は聞こえていないようでした。

$こどもの瞳

邪魔はしたくないので、私は一人でお茶をすすっていました。。。

どのくらいの時間が過ぎたでしょう。。。
その女性はずっとその絵から離れません。

すっかりお茶が冷めてしまったので入れ直して、私は2杯目のお茶をすすりながら
3つ目のお菓子を食べていました。。。

すると、その女性がその絵の前にしゃがみこんで泣き出してしまったのです。

「やだ、どうなさったの?」

女性はただただ泣いていました。。。私は急いでハンカチを。。。

本当にいったい何があったのかと思いました。。。

女性はしばらく泣いていましたが、椅子を勧めると座り、少しずつ落ち着きを取り戻したようで。。。

「すみません」と何度も私に謝ってから、「話聞いてもらっていいですか?」
「なんだか初めてお会いした方と思えなくて」と。。。(よく言われます…)

「私でよろしければ、何でも聞きますよ」と私。。。

話し出す時も、何度も涙で声をつまらせながら。。。
少しずつお話ししてくださいました。。。

話を聞いて、私も涙が止まりませんでした。。。

彼女は数年前に、4歳になったばかりの息子さんを亡くされたそうです。
その息子さんがcottonに瓜二つで、
しかも、ご自分が運転する車で誤って轢いてしまったとのこと。。。

自暴自棄になり、自ら旦那様とは別居なさって、今でもご自分を責め続ける毎日。。。

「自分の母親に殺された息子は、今でもきっと私を恨んでます。」と。。。

それまで泣いていた私の涙がピッタっと止まりました。

「息子さんは、絶対お母さんを恨んでなんかないと思いますよ」

「きっとまたどこかで、次もあなたの子どもに生まれ代わるスタンバイしてますよ」

私なんでこんな事言ってるのかしら。。。自分でも思いもよらない言葉が後から後から。。。

「僕は、お母さんの子どもに生まれてきて良かったって。。。」

「お母さん、そろそろ元気出してよって言ってますよ!」

その後もいろいろ話しましたが、今すぐは無理でも、もう一度旦那様とお話するとおっしゃいました。

偶然入ったギャラリーで、亡くされた息子さんそっくりの絵の前から動けなくなったそうで、
亡くされたショックが大き過ぎで泣く事もできず、数年間自分を責め続けたと。。。

私の作品に出会った事で、前向きになってくれるとよいのですが。。。


その後、お化粧直しまでさせていただいたのに、お名前とか聞くの忘れてしまいました。

またいつかどこかでお会いします。。。

実は、こういう話一回や二回ではありません。。。

以前にもあるギャラリーで個展中、通りすがりのあるご夫婦が入って来られて、
一枚の少女の絵を二人でじっと眺めていたかと思うと、

いきなり「この絵、譲っていただいていいですか?」と。。。

お話をお伺いするとご夫婦二人共
涙を浮かべて娘さんが亡くなった時のことを話してくださいました。

$こどもの瞳

「花のしらべ…」1998年作

娘さんは急性リンパ性白血病で、ドナーが見つかったのにも関わらず
手術中にくも膜下出血で亡くなったということ。。。

絵の少女の風になびくサラサラの髪を眺めていたら、抗ガン剤治療中、
抜け落ちる娘さんの髪と重なったとのこと(抜け落ちる髪もホントにキレイで愛おしいかったと…)

それに何より、絵の少女がまるで娘さんをモデルに描いたと思ったくらいそっくりだったと。。。
(10年以上も前の話で、言葉のニュアンス間違ってたらごめんなさい…)

そのご夫婦には、その後毎回個展のご案内を出していましたが、
いつしか連絡が取れなくなってしまいました。

$こどもの瞳

お二人仲良くお元気なのか、気にかかります。。。

描いた私にもわからない、何か不思議な導きがあって
私は、絵を描いているのかと思う事がたまにあります。。。

私は恥ずかしながら無宗教ですが、その昔絵画は貧困に喘ぐ人々や、悩める人々の宗教的な心の支えだったことも、
なんだかわかるような気がします。。。

そういう事があるたび、思うんです。

作品はアトリエで描きあがった段階では、たんなる絵にすぎないのに、
描くという手段で表現し、発信した絵を受け取る誰か(皆様)が
どう受け取り、どう感じるか。。。

それによって、息を吹き込まれるというか。。。

その繋がりが生まれて、初めて作品として成り立つと思うのです。。。


これからも、自分の感覚に正直に描く事と、日々向き合っていかなければと。。。。



現在「blue cotton」の原画は、東京早稲田のドラードギャラリーで飾って頂いてます。。。

ドラードギャラリー(SHIJINGAKA)さんのブログ↓
http://ameblo.jp/sizingaka/entry-10491873502.html