“爆破女”の暴走で文在寅(ムン・ジェイン)政権が窮地に立た
されている。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正
(キム・ヨジョン)党第1副部長が、南北共同連絡事務所を爆破し
たことで、文政権の支持率が急落しているのだ。
北朝鮮も「爆破」は序章に過ぎないと宣言している。もはや文
大統領に打つ手なしか。
韓国の世論調査会社リアルメーターが18日に発表したデー
タによれば、文大統領の支持率が前週から4・6ポイント減の
53・6%だった。不支持率は4・1ポイント増の41・1%で今年最
も大きな下げ幅になったという。
2018年には南北首脳会談で板門店(パンムンジョム)宣言が
発表されたが、「同宣言の国会批准が南北関係の改善に役立つ
」という主張には「共感しない」が半数を超えた。
支持率の急落に文大統領は、19日に金錬鉄(キム・ヨンチョル
)統一部相の辞表を受理した。
金氏は17日に「私は南北関係の悪化のすべての責任を負って
退くことにした」と話していた。
また南北共同連絡事務所爆破の引き金となってしまったビラま
きも規制を急ぐ。
聯合ニュースによると、韓国警察トップのミン・ガプリョン警察庁
長が「あらゆる不法行為に対し徹底的に捜査し、厳正に司法処理
する」と明らかにした。
ただ、いたちごっこのように脱北者の団体は米の入ったペットボ
トルを散布する予定があるという。
19日の中央日報が伝えている。
一方、北朝鮮は南北関係を悪化させるカードをまだ切るつもり
のようだ。
複数の韓国メディアは非武装地帯(DMZ)付近で17日午後から
北朝鮮の軍人が監視所に入ったと伝える。
18日付の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は連絡事務所の爆破が
「始まりに過ぎない」と挑発するほか、「今、対敵行動の行使権はわ
れわれの軍隊に移った」などと警告している。
与正氏の強硬策に、文政権の打つ手はあるのか。
韓国事情に詳しいジャーナリストの室谷克実氏は「北朝鮮の挑発
は今後も考えられるが、文政権としてはまだ5割以上の支持を受け
ている。文大統領の側近は北朝鮮への経済協力を盛んに言ってお
り、米国に制裁解除を進言しているが、米国が首を縦に振るはずも
ない。結局、文大統領は何もできずに終わるだけだ」と指摘した。