今月1日、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)
を受けて、「水際対策強化に係る新たな措置」が決定した。
3日から入国者に対して、さまざまな水際対策処置が開始され
た。
入国者は原則、入国後14日の自宅やホテル待機となった。
さらに、所定の地域への訪問歴がある入国者全員に、PCR
検査を義務付けた。
検査結果が陽性となれば、直ちに所定病院に隔離される。
陰性の場合も14日の待機を要請する。PCR検査の結果が出
るまでの数日間、所定の宿泊施設で待機となる。
その送迎、待機施設での生活支援などが急遽(きゅうきょ)、
必要となった。
成田空港と羽田空港には、厚労省の検疫所が常設されている
。
いきなり膨れ上がった業務に検疫所が大混乱に陥る前に、
自衛隊が動いた。
知事の要請をまたない「自主災害派遣」だった。
自衛隊の医療スタッフはここで、PCR検査の検体を採取し、
健康チェックを行う手伝いをしている。
自衛隊はクルーズ船対応に続き、しっかりと完全に防護具を
装着してミッションを遂行している。
今回の水際対策への自主災害派遣には、医療スタッフだけ
でなく輸送関係の一般自衛官も派遣されている。
PCR検査の結果待ちの人々を待機先のホテルに送迎すると
ともに、検査結果が出るまでホテルの外に出られないため、
生活支援も行っている。
こういうギリギリの場面で自衛隊が活躍すればするほど、
自衛隊は国民から信頼され、高く評価される。
しかし、自衛隊の主たる任務は「国を守ること」である。
自衛隊が災害派遣に出ればその分、予定されていた自衛隊
の練度を上げる訓練の時間が削られていく。
輸送業務は運転免許があればできるはずだ。
水際措置が始まったばかりの混乱期は仕方ないが、いずれは
民間委託した方がいい。
国がお金を出して民間バスをチャーターして、運転手に防護服
の着脱を覚えてもらい、送り迎えすればいいのではないか。
わずかだが、経済効果もある。
自衛隊には重要な「国防の任」があることは常に考えておかな
ければならない。
国の予算を削り、公務員数を減らしたツケが、ここでもわが国を
苦しめている。
■小笠原理恵(おがさわら・りえ)
国防ジャーナリスト。1964年、香川県生まれ。関西外国語大学
卒。広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動。自衛隊の
待遇問題を考える「自衛官守る会」代表。現在、日刊SPA!で
「自衛隊ができない100のこと」を連載中。著書に『自衛隊員は
基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。
確かに。送迎にまで、自衛官を使う必要は無いですね。
民間に任せても良い事でしょうし、民間で、輸送を生業にされてる
企業も助かる。と、思います。
要は、感染をどう?防止するか?だけですから、自衛官は、そうし
た業者さんに防疫の手ほどきをすれば良い事ですものね。
しかし、毎回、思う事は、こうして、国の安全を守って下さってる、
自衛隊の活躍が、国民に広く知らされない事。
これは、本当に残念です。