http://www.sankei.com/west/news/141227/wst1412270025-n1.html

【衝撃事件の核心】
世俗の垢まみれ、宗教法人の「カネと欲」 怪しすぎる開運商法、横領騒ぎ、脱税…金銭トラブルの〝宝庫〟


2014.12.27 11:00 産経新聞



脱税事件の立件直前まで開運商法に悪用された
疑いのある福富寺
三重県菰野町



 山深くに建つ寺は、あきれるほど世俗の垢(あか)
にまみれていた。

 開運商法で得た所得を隠し1億円以上を脱税し
たとして、大阪市の開運グッズ販売会社元幹部ら
が大阪地検特捜部に逮捕、起訴された。

 元幹部らのグループは寺を所有する宗教法人を
買収し、逮捕直前まで開運ブレスレットの販売や
祈祷(きとう)サービスなどの怪しすぎる開運商
法を展開。

 法外な請求を消費者側に突き付ける一方、仲間
割れによる金銭トラブルを司法の場にまで持ち込
んでいた。

 宗教法人とは名ばかりの「カネと欲」だけで結
ばれた内部の人間模様が、事件を通じて明らかに
なった。




■宗教の壁、脱税で突破

「縁結び祈願 縁切り祈願」

 三重県菰野(こもの)町の近鉄湯の山温泉駅で
下車し、駅のすぐ脇に掲示された案内板に従って
山道を登ること約700メートル。

 突き当たりで2体の仁王像の出迎えを受ける。

 周囲には宿泊施設や民家が点在するものの、
人影はほとんど見当たらない。

 そばの川の流れだけが響く閑静な霊場
「福富寺」が、グループの活動拠点となった。

 法人税法違反容疑で逮捕、起訴されたのは、
開運グッズ販売会社「アドライン」(解散)の元
実質経営者、河本大介被告(34)ら4人。

 福富寺の元檀家(だんか)総代の男性も逮捕さ
れたが、後に起訴猶予となった。

 起訴状によると、4人は平成22年4月~23
年10月、福富寺からの架空仕入れを計上する
手口で、アドライン社など2社の所得約3億77
00万円を隠し、法人税約1億1千万円を免れた
とされる。

 開運商法は一般的に、詐欺罪で立件するにはハ
ードルが高いといわれる。

 販売業者が商品に効能がないと認識していたこ
とを立証する必要がある上、泣き寝入りする被害
者が多いため、被害実態を解明するのが難しい
ためだ。

 ましてや、法令によって権力の過度の介入が
制限される「宗教法人」という壁-。

 大阪国税局が今回、脱税事件として大阪地検
特捜部に告発したことで、捜査のメスが入った。




■「レゲエライブ」目指す

 捜査関係者などによると、福富寺は19年2月、
河本被告らのグループとは別の宗教関係者が宗教
法人格を取得したが、間もなく運営に行き詰まっ
て活動をほぼ中止。

 当時の運営者側が法人格の転売先を探していた
ところ、その“利用価値”に着目したグループが
買収した。

 22年11月には僧籍を持つ女性が代表として
送り込まれた。

「黒ずくめの服装に高級外車。『いかにも』と
いう人たちが出入りし、さびれた寺が急ににぎわ
い始めた」。

 グループが寺の運営に乗り出した時期について、
近所に住む主婦(31)はそう振り返る。

 寺のそばの空き地には大量の資材が積み込まれ、
急ピッチで改装工事が進められた。

 付近住民にあいさつして回った男は、大阪府
出身の有名レゲエミュージシャンの名前を挙げ、
「ライブを開催できる舞台も作るよ。人の集まる
場所にするんや」と話したという。




■住職は「占い師」

 壮大な計画の実現に向けて動き出した福富寺だ
ったが、間もなく住職ら運営側と寺の元金庫番の
間で運営資金をめぐる内紛が勃発した。

 運営側は23年、資金を管理していた元檀家
総代の男性に約3560万円の返還を求め、神戸
地裁尼崎支部に訴訟を起こしたのだ。

 男性は法廷で全面的に争った。

 福富寺の元宗務担当者は訴訟で、寺の改装工事
を依頼した業者から
「工事代1300万円が未払いだ」と連絡があり、
男性が改装工事費など約3500万円を着服した
ことが分かったと主張。

 これに対し、男性は資金を改装工事のほか、
備品の購入代や従業員の給与などに充てたと説明
し、領収書を河本被告らに渡したなどと訴えた。

 結局、地裁尼崎支部は昨年4月、運営側の請求
をほぼ認め、男性に約3500万円の支払いを命
じる判決を言い渡し、1審で確定した。

 一方、男性は訴訟の中で、福富寺のいびつな
実態も証言していた。

 男性の証言などによると、住職の女性は10年
以上前から高知市内で占い師として活動。

 グループは開運商法を展開するため、福富寺の
広告塔として女性を住職に起用し、
「タレントとして売り出そう」と画策していたと
いう。

 寺の改装工事をした理由は
「雑誌掲載にあたり、ビジュアル的に悪い」ため
で、まともな宗教法人とはとても言いがたい状況
だった。




■「焼身自殺」不安に陥れ

 捜査関係者によると、アドライン社は会社設立
から1年余りでブレスレット販売などを通じ、少
なくとも7億円以上を売り上げていた。

 しかし、「除霊しないと大変なことになる」と
祈祷サービスをしつこく勧誘するなどして悪評も
広がり、23年6月に解散。

 消費者庁は24年11月、特定商取引法に基づ
き、アドライン社と後継の関連会社に6カ月の
業務停止命令を出し、グループの活動は一時停滞
したかにみえた。

 ところが、宗教法人を所管する三重県文化振興
課によると、25年後半以降、全国の消費生活
センターなどから福富寺の実態に関する問い合わ
せが再び増加。

 今年11月にグループが逮捕される直前のわず
か約1カ月間では10件以上に達した。

 県は逮捕の4日前に福富寺を視察するなど、
警戒を強めていた。

 消費者庁や関係者によると、グループは軽い
気持ちで1万円程度のブレスレットなどを手に入
れた購入者に「お札」を送付し、願い事などを書
いて返送するよう指示。

「お札を炎に投げ入れたら異様な燃え方をした。
高名な住職に相談したほうがいい」と申し向け、
福富寺を紹介するなどしていた。

 さらに、寺では
「肩と足に6体の霊がついている」

「一番ひどい人は一家で焼身自殺したり、普通
なら考えられないことが起こる」と不安に陥れ、
祈祷料名目で多額の金を巻き上げていたようだ。

 カネにまつわるあらゆるトラブルを詰め込んだ
ような今回の事件。

 福富寺の中心にそびえる観音菩薩の〝心中〟は
いかばかりか。





この事件は、開運商法被害の増加と言う記事で、
取り上げました。

が、その舞台が、まさか、菰野だったとは、知り
ませんでした。

まあ、菰野を過ぎれば、湯の山ですから、山間部
と言っても良い町ですから、こうした宗教施設が
有っても不思議じゃ無い所です。

しかし、珍しい例ですね。

仲間割れで、訴訟に発展するなんて。

普通は、隠したがるものなんですが。

ええ、詐欺ですから。

仲間内で、処理するのが、普通です。

もっとも、そうしてくれたから、警察、検察が、
手を入れられた。訳で。

あのオウム事件の際も、疑わしいと判っていて
も、なかなか、すぐに手を出せなかったのは、
宗教法人と言う看板が有ったからですものね。

それだけに、犯罪を犯す連中にとっては、手に
入れたい看板でも有ります。

税制面でも、有利ですからね。

オウム事件以降、宗教法人格の取得は、難しく
なった様で、最近は、休眠法人を買い取るのが
普通の様です。

真っ当に宗教活動をされてる法人には、迷惑な
事でしょう。

まあ、人の不安感をあおる様な教団等で、まと
もな物は有りません。

仏教自体は、老病死苦の不安を取り除く教えで
すから。

元は、4つの苦しみから、今は、8つの苦しみ
を取り除く教えに変わっている。と、聞きまし
た。

ともあれ、開運は、グッズで何とか成るもので
は無く、行動であり、考え方だと思います。

と、言いつつ、私も幸運には、程遠いですが。

考え方を変えれば、犯罪に巻き込まれる事も無
く、こうして、ブログの更新を出来てる事自体
が、幸運なのかも?知れませんが。