http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140928/wec14092807000004-n1.htm
【国際ビジネスマンの日本千思万考】
「金」は世界の16%、「銀」22%「レアメタル」10%以上…日本に眠る「都市鉱山」が世界を変える
2014.9.28 07:00 産経新聞
レアメタルや金、銀などが含まれる
廃棄小型家電の「都市鉱山」の“採掘”作業。
大きな可能性を秘めている
神奈川県相模原市
(鈴木健児撮影)
■大量生産・大量消費→有限・閉塞
20世紀までは、世界がある程度無限に拡大
してゆくといった考え方を前提として、
環境負荷に気を留めることもなく、大量生産、
大量消費社会が先進的とされてきました。
ところが、21世紀を迎える寸前あたりから、
新興国や発展途上国もが、この路線を踏襲した
結果、世界にモノがあふれはじめ、環境破壊が
問題化し、今や世界には早急に取り組むべき
課題が山積し、地球の有限性が実感されるよう
になっております。
米欧日・先進国全体が活力を失い、国民も
閉塞感と不安感に押しつぶされそうな雲行きを
呈し始めているのです。
そこで、次の世代の社会像を提示・実行する
ことで、同じ課題に遭遇する世界各国に対して、
新たなる先進性を具象化することこそ、日本が
取るべき道であり、またそのチャンスはかなり
大きいと考えます。
■日本に豊富にある「都市鉱山」資源
人工物を大量生産して、先進国から新興国
へ、新興国から発展途上国へと無限に普及
拡大する発展モデルを脱し、「世界は有限」
の想定下でさらなる有効需要を創造してゆく
という転換を図るためには、工業化社会が生
み出した負の側面をどう克服するかにかかっ
ているといえます。
中でも重要な分野としては、第一にエネル
ギー・環境問題の改善、第二に新旧産業に
おける雇用転換と労働力確保、人口・食糧
・医療問題、適正な所得配分、そして第三に
産業経営と文化の再構築が挙げられます。
それらを解決しながら社会繁栄を達成する
には、科学技術の進展と教育訓練強化がカギ
を握っていると思います。
まずは金属や化石燃料の有限性や急激な
価格の高騰にいかに対処するかという課題
です。
現在の使用効率のままでは、21世紀中葉
には今現在の3倍のエネルギーが必要になる
と予測されていますが、これに対しては、
すでに使用された資源を再利用するという
側面と、エネルギー消費量を徹底して効率化
し、伸びを抑えるという2つの側面がありま
す。
例えば廃棄される電気製品や自動車には、
必要な資源がほとんど含まれています。
そうした「都市鉱山」は日本に豊富にあり、
そこには、金なら世界の現有埋蔵量の16%、
銀なら22%、ほかにも10%以上の希少
金属が存在しており、日本企業の技術で採取
再生が可能なのだそうです。
日本の資源リサイクル技術をもってすれば、
自給率7割達成も可能といわれ、すでに世界
に先行しているようですから、経済的合理性
は極めて高く、ベンチャー企業参入機会も
ますます増えそうです。
また、エネルギー消費量削減に関しても、
LED電球、太陽電池、自動車燃費効率など、
日本メーカーの技術は群を抜いており、大き
な強みと考えるべきでしょう。
■少子・高齢化を逆手にとる
一方、少子化・高齢化という先進国共通の
課題がありますが、いずれ教育普及、医療の
進歩、所得向上が世界の国々へと波及すれば、
全世界共通の現象になると推測され、
ここでも日本が先陣をきって問題解決のモデ
ルを示す良い機会であります。
日本は平均寿命が男女とも世界一なのです
から、元気な高齢者が大きな役割を果たす
社会実現によって、夢と希望の長寿大国の
実現を図るべきなのです。
生理医学の進歩で最近判ってきたのは、
人間の能力のうち、年齢とともに劣化するの
は、運動能力や短期無作為の記憶力などに限
られるということだといいます。
言語や理性、知性、問題解決や判断力など
智恵の蓄積がモノをいう能力に関しては、
70歳ぐらいまで右肩上がりに向上し、死の
2年ほど前まで、高水準が維持されるよう
です。
しかも、70~80代高齢者のうち、心身
とも健康な方の比率は実に80%もいて、
これもデータ的に世界一だそうです。
つまり高齢者こそ、社会的人的資源として
捉えるべきでしょう。
雇用の2段階システムを計画し、第1次
定年を仮に55~60歳とするなら、第2次
雇用の定年を75~80歳とし、元気な高齢
者たちが、その各分野に跨る経験智を生かせ
るような、教育コンサルティング分野とか
サービス事業分野など、割安賃金で再就職
(雇用創出)ができるようにすることが考え
られます。
その間の給与に応じて、健保や租税負担に
加え、年金支給を差し引きすれば、社会保障
費の国家と若年層の負担分が半減できるそう
ですし、税収増などによって経済にプラスの
影響まで及ぼすことにもなるのです。
高齢者が「もらう側」から「与える側」に
移行することは、国や地方自治体、各種団体、
教育・研究機関や企業の負担をへらし、
地域活性化まで“一石四鳥”効果も期待でき
そうです。
都市鉱山も持ち、リサイクル技術を磨いて、
いずれ、都市油田も出来たら良いですね。
それを期待してやみません。
【国際ビジネスマンの日本千思万考】
「金」は世界の16%、「銀」22%「レアメタル」10%以上…日本に眠る「都市鉱山」が世界を変える
2014.9.28 07:00 産経新聞
レアメタルや金、銀などが含まれる
廃棄小型家電の「都市鉱山」の“採掘”作業。
大きな可能性を秘めている
神奈川県相模原市
(鈴木健児撮影)
■大量生産・大量消費→有限・閉塞
20世紀までは、世界がある程度無限に拡大
してゆくといった考え方を前提として、
環境負荷に気を留めることもなく、大量生産、
大量消費社会が先進的とされてきました。
ところが、21世紀を迎える寸前あたりから、
新興国や発展途上国もが、この路線を踏襲した
結果、世界にモノがあふれはじめ、環境破壊が
問題化し、今や世界には早急に取り組むべき
課題が山積し、地球の有限性が実感されるよう
になっております。
米欧日・先進国全体が活力を失い、国民も
閉塞感と不安感に押しつぶされそうな雲行きを
呈し始めているのです。
そこで、次の世代の社会像を提示・実行する
ことで、同じ課題に遭遇する世界各国に対して、
新たなる先進性を具象化することこそ、日本が
取るべき道であり、またそのチャンスはかなり
大きいと考えます。
■日本に豊富にある「都市鉱山」資源
人工物を大量生産して、先進国から新興国
へ、新興国から発展途上国へと無限に普及
拡大する発展モデルを脱し、「世界は有限」
の想定下でさらなる有効需要を創造してゆく
という転換を図るためには、工業化社会が生
み出した負の側面をどう克服するかにかかっ
ているといえます。
中でも重要な分野としては、第一にエネル
ギー・環境問題の改善、第二に新旧産業に
おける雇用転換と労働力確保、人口・食糧
・医療問題、適正な所得配分、そして第三に
産業経営と文化の再構築が挙げられます。
それらを解決しながら社会繁栄を達成する
には、科学技術の進展と教育訓練強化がカギ
を握っていると思います。
まずは金属や化石燃料の有限性や急激な
価格の高騰にいかに対処するかという課題
です。
現在の使用効率のままでは、21世紀中葉
には今現在の3倍のエネルギーが必要になる
と予測されていますが、これに対しては、
すでに使用された資源を再利用するという
側面と、エネルギー消費量を徹底して効率化
し、伸びを抑えるという2つの側面がありま
す。
例えば廃棄される電気製品や自動車には、
必要な資源がほとんど含まれています。
そうした「都市鉱山」は日本に豊富にあり、
そこには、金なら世界の現有埋蔵量の16%、
銀なら22%、ほかにも10%以上の希少
金属が存在しており、日本企業の技術で採取
再生が可能なのだそうです。
日本の資源リサイクル技術をもってすれば、
自給率7割達成も可能といわれ、すでに世界
に先行しているようですから、経済的合理性
は極めて高く、ベンチャー企業参入機会も
ますます増えそうです。
また、エネルギー消費量削減に関しても、
LED電球、太陽電池、自動車燃費効率など、
日本メーカーの技術は群を抜いており、大き
な強みと考えるべきでしょう。
■少子・高齢化を逆手にとる
一方、少子化・高齢化という先進国共通の
課題がありますが、いずれ教育普及、医療の
進歩、所得向上が世界の国々へと波及すれば、
全世界共通の現象になると推測され、
ここでも日本が先陣をきって問題解決のモデ
ルを示す良い機会であります。
日本は平均寿命が男女とも世界一なのです
から、元気な高齢者が大きな役割を果たす
社会実現によって、夢と希望の長寿大国の
実現を図るべきなのです。
生理医学の進歩で最近判ってきたのは、
人間の能力のうち、年齢とともに劣化するの
は、運動能力や短期無作為の記憶力などに限
られるということだといいます。
言語や理性、知性、問題解決や判断力など
智恵の蓄積がモノをいう能力に関しては、
70歳ぐらいまで右肩上がりに向上し、死の
2年ほど前まで、高水準が維持されるよう
です。
しかも、70~80代高齢者のうち、心身
とも健康な方の比率は実に80%もいて、
これもデータ的に世界一だそうです。
つまり高齢者こそ、社会的人的資源として
捉えるべきでしょう。
雇用の2段階システムを計画し、第1次
定年を仮に55~60歳とするなら、第2次
雇用の定年を75~80歳とし、元気な高齢
者たちが、その各分野に跨る経験智を生かせ
るような、教育コンサルティング分野とか
サービス事業分野など、割安賃金で再就職
(雇用創出)ができるようにすることが考え
られます。
その間の給与に応じて、健保や租税負担に
加え、年金支給を差し引きすれば、社会保障
費の国家と若年層の負担分が半減できるそう
ですし、税収増などによって経済にプラスの
影響まで及ぼすことにもなるのです。
高齢者が「もらう側」から「与える側」に
移行することは、国や地方自治体、各種団体、
教育・研究機関や企業の負担をへらし、
地域活性化まで“一石四鳥”効果も期待でき
そうです。
都市鉱山も持ち、リサイクル技術を磨いて、
いずれ、都市油田も出来たら良いですね。
それを期待してやみません。