お米をよく噛むと甘みを感じます。
口の中では、唾液に含まれている消化酵素によって、デンプンはブトウ糖に分解される前の麦芽糖になります。そのために甘さを感じるんですね。
よく噛まれて美味しく食べられたお米は、胃や小腸で消化されてエネルギーになっていきます。
でも、ここで消化されずに大腸まで届くお米のデンプンやタンパク質は専門的な言葉で「難消化性デンプン」や、「レジスタントスターチ」と呼ばれています。
小腸と異なり大腸の中は酸素の少ない世界。ここで暮らす微生物は、人が消化できない食物繊維やお米の成分を食べて、増えて、様々なものを創り出してくれています。
まずは乳酸菌やビフィズス菌。彼らの作る乳酸で大腸内が酸性に傾くことで、他の病原菌が入りにくくなります。これが1つ目の効果。免疫力を高めてくれています。
そんな酸性の環境が好きな微生物もいます。酵母菌や酢酸菌などの様々な微生物がリレーして新たな成分「短鎖脂肪酸」を作り出します。酢酸や、酪酸などを総称して呼ばれています。酢酸はお酢のすっぱい成分の素ですね。
これらの成分は大腸で吸収されて肝臓や筋肉で使われます。ヒトのエネルギー消費の10%をこの短鎖脂肪酸がまかなっているといいます。
これを知った時は驚きました。
私たちの腸の中にいる住人はエネルギーまで作っているんですね。
2つ目の効果はこのエネルギーの貯金です。
お米をしっかり食べると元気になる気がしていましたが、こんな体の秘密があるなんて知りませんでした。
腸の中は見ることはできませんが、昨年作った味噌も微生物たちの活躍のおかげの食べ物です。
茹でてつぶした大豆と塩と、米麹を混ぜた団子を瓶の中に空気が入らないようにギュッと詰めて。
それをエサにして酸素の少ない場所が好きな乳酸菌がたくさん増えて瓶の中の酸度が下がります。すると今度はそんな環境が好きな酵母菌が増えていき、アルコール発酵が始まります。
そして1年もの時間を掛けて、麹菌から始まって、生き物のリレーで味噌ができあがっていきます。
自分達の腸の中でも、これと同じような働きが起こっているなんて不思議ですね。
さらに、体だけでなく、心も健康にしてくれています。次回は3つ目としてそのことに触れてみます。
◇ 自然栽培で育った天日干しのコシヒカリ。とても消化が良くて体にやさしいお米です。お問い合わせはこちらからどうぞ。◇ こぼし農園ホームページへ!