『階上の妻』レイチェル・ホーキンズ 竹内要江訳

早川書房 2021年発行

 

相変わらず、Amazonから取り込むことができず、下手な写真ですみません。

<あらすじ(冒頭)>

ジェーン・ベルは、高級住宅街のソーンフィールド・エステートでドッグウォーカーとして働いている。

ある日、ジェーンが、犬を散歩させながら、その辺りで一番大きな家を見上げていると、高級車が飛び出してきて、それをよけた拍子に、ジェーンは転んでしまう。

車の中から現れたのは、ハンサムな男性、エディ・ロチェスター。

初対面なのにもかかわらず、ジェーンはエディに、家でコーヒーを飲みませんかと誘われ、犬と一緒にあこがれの家に入っていく。

 

<感想>

本の帯に、"現代版『ジェーン・エア』"と書いてあり、登場人物がジェーンとロチェスター。

あらすじ(冒頭)に書いたように、ふたりの出会いも『ジェーン・エア』になんとなく似ている。

そしてヘレン・バーンズという名前も出てくる。

『階上の妻』という題名からも、『ジェーン・エア』のオマージュであるジーン・リースの『サルガッソーの広い海』が連想される。

なので、私は、『ジェーン・エア』のまとう雰囲気をバリバリに期待して、読み始めた。

しかし、登場人物のあまりのしたたかさにあれ?ちょっと違う?と戸惑いながら、読み進めていくうちに、これは現代のサスペンスの物語で、その中に『ジェーン・エア』や『サルガッソーの広い海』の要素を見つけながら読んでいけばいいんだ、と思い、そこからは楽しんで読めるようになった。エミリー・ブロンテの『嵐が丘』の雰囲気も入ってます。

 

物語は、ジェーン、エディ、ビー(エディの元妻)の一人称で語られていて、誰が本当のことを言っているの?と考えるのも楽しい。そして、最近の本では珍しくビニールのカバーがかかっているので、本が汚れない(^▽^)/

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

<コロナのある風景>

もう、8月も終わり。

それなのに、夏休みという感覚がまるでない。

なぜだろうと思ったら、今までは、夏休みになると「あー、子どもたちのお昼ごはんを毎日作らなくては💦」と思っていたけれど、今は、大学生がリモート授業で毎日家にいてお昼ご飯を食べているので、夏休みになっても何も変わらなかったからだった。

 

二年前、次男が高校三年の冬、「長男、次男と高校のお弁当を6年間、作り続けていたけれど、今日でこれも終り。もう子供たちのお昼の心配はしなくていい。」としみじみと達成感を感じていたのに、リモート授業のために、それからずっとお昼を作り続けることになるなんて。

私の達成感はなんだったのだろう。

 

いやいや、このコロナ渦で、お昼ご飯が…なんて小さいことだとわかっています。

もう少し、がんばろう。