宇佐見りん 著
河出書房新社 2020年
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<あらすじ>
小さい時から優秀な姉と違い、あかりは、何にも、できないと言われてきた。事実できなかった。
学校では保健室に通い、病院の受診を薦められ、薬をもらったが、病院にいくのさえ、おっくうになった。
そんなあかりが、唯一できることは、アイドルの上野真幸を推すことだった。
彼女が書く真幸に関するブログは5番目くらいの閲覧数がある。
真幸のDVD、CD、雑誌を買うためなら苦手なアルバイトもできる。
そんな中、上野真幸は、ファンを殴り炎上する。
それでも真幸を推し続けるあかり。
だが、あかりの行く末には、更なる悲しみが待ち受けるている。
<感想>
この本、字が大きいし、最初にSNSで話題になったので、軽い読み物だろうと思っていたけれど、そうではなかった。
確かに読みやすい。けれど心にズシンとくる表現が随所にある。
私は、今まで、好きなスポーツ選手や俳優はいたけれど、追いかけて、コンサートに行ったりするような「推し」はいなかったので、人を「推す」ということがよくわからなかった。
「あたしには、みんなが難なくこなせる何気ない生活もままならなくて、その皺寄せにぐちゃぐちゃ苦しんでばかりいる。だけど推しを推すことがあたしの生活の中心で絶対で、それだけは何をおいても明確だった。中心っていうか背骨かな」(37ページ)
「推し」って、そういうことなんだ。「推す」ことで、何かを得たいとかではなく、自分でもどうしようもないことなのだ。
「推し」がいるって羨ましいなと思うけれど、多分私は、その前にブレーキをかけてしまい無理なんだろうな。
↑昨日、初めて苺サンタを作ってみた。
苺の形や大きさによって、奇妙なサンタになる。
生クリームの乗せ方、向きも何が正解かわからない。
そして、市販のスポンジケーキに乗せてみたら、苺が大きすぎて、スポンジがとても気の毒な感じになった
今度は小さめの苺でやってみよう。苺サンタ、奥が深い。
Merry Xmas