E.M.フォスター 著 /  小池滋 訳

みすず書房 1994年

 

【登場人物】

<シュレーゲル家>

父→ドイツ人

母→イギリス人

マーガレット長女。13歳で母を亡くす

ヘレン二女。姉と8歳差。男の子を出産

ティーヴィ弟。長女と13歳差

 

ジュリー叔母さん(マント夫人)

 

<ウィルコック家>

ヘンリー後にマーガレットと結婚

ルースハワーズ・エンドの持ち主

チャールズ長男、妻はドリー

ポール次男。ナイジェリアへ行く

ティーヴィパーシー・ケイヒル(ドリーの叔父さん)と結婚

 

レナードー・バスト→貧しい労働者

ジャッキーレナードの妻

 

エイヴリー婆さん→ハワーズ・エンドを管理

 

【概要】

 シュレーゲル姉妹は、ドイツを旅行中、階級は同じだが、保守的な実業家のウィルコック一家と出会い、ハワーズ・エンドに招待される。だが、ティーヴィーが病気になったため、ヘレンだけがハワーズ・エンドを訪れる。

そこで、ポールと恋愛関係に陥るが、すぐに解消する。

 

数か月後、ロンドンのシュレーゲル家の向かいのマンションにウィルコック家が引っ越してくる。

周りの人々はヘレンとポールとの関係が再燃することを心配するが、ポールは別の場所で暮らすことになっていた。

次第に、マーガレットとルースの気が合い、仲良くなる。

 

まもなく、ルースが病死し、ハワーズ・エンドをマーガレットに譲るというメモを残すが、ウィルコック家の人々はそのメモを廃棄する。

やがて、ヘンリーが、マーガレットに好意を抱きプロポーズし、マーガレットは承諾する。

ティーヴィーの結婚式の日に、ヘレンが、失業中のレナードとジャッキーを連れてくる。

レナードの職をヘンリーに探してもらうためだったが、ジャッキーはヘンリーの昔の情婦だったことが判明する。

メアリーは、レナード、ジャッキー、ヘレンをホテルに泊まるよう促すが、その後、ヘレンが八カ月姿を見せない。

ヘレンは、レナードの子どもを宿していた。

メアリーとヘレンは、ハワーズ・エンドで会い、一晩泊まることにする。そして…。

 

【感想】

最初、ストーリーを理解するのに時間がかかったが、流れに乗って読んだら、とても面白かった。

エイヴリー婆さんがの存在が面白い。エイヴィリー婆さんについてレポートを書いてみたい。

E.M.フォースター、好きになりました。奥が深そう。

巻末の小池滋氏の訳者解題の中に、「イギリスにせよイタリアにせよ、土地固有の魅力、ないしは魔力が、何か人格と言ってよいほどのものを持ち、そこに住む人々と結びついている」という言葉がありますが、まさに『ハワーズ・エンド』の小説の魅力はそこにつきます。

 

少し前の夕方の大学の梅ラブラブ