Village Christmas/Penguin Books Ltd




<ストーリー>

もうすぐクリスマス。
Fairacre村に住むマーガレットとメアリーの姉妹は、自分たちの年金で買えるお手頃な値段のクリスマスカードをたくさん買い込み、どの図柄のカードが誰にぴったりかを考えながら、楽しそうにカードを書いている。

最後にコマドリの絵のカードが一枚残り、最近、彼女たちのお向かいに引っ越してきたエメリー一家に送ることにした。その家族には、幼い娘が三人おり、さらに年明けにもう一人生まれる予定だ。そしてその母親は、フレンドリーな性格だが、派手で、ちょっとがさつで、村の中では浮いている存在だった。

ところがクリスマス当日、エメリー家の長女が、マーガレットとメアリーのところに助けを求めてやってくる。

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翻訳勉強会の次のテキストの候補の一つが、この'MISS READ'シリーズ。その中で、一番短い作品が"Village Christmas"だったので、読みました。


それほど難しくないけれど、教会やキリスト教の用語と出産用語がわからなくて、結構読むのに時間がかかってしまった。
例えば、
belfry(鐘楼)、
parishoner(教区民)、
altar(祭壇、供物台)、
chorister(聖歌隊員)
Chancel(altarの周囲で聖職者・合唱隊などの席)、
crib(キリストが生まれた時に寝かされた馬桶)、
the Nativity(キリストの降誕)
labour(分娩)
swaddling(産着)
napy(おむつ)
cord→the umbilical cord(へその緒)
など。

この作品の全体のトーンが好き。
静かな村に、教会の鐘が鳴り響き、つつましいながら、生活を楽しみ、凛として生きるマーガレットとメアリーの姉妹。
悪い人ではないけれど、雑な性格の上、子だくさんで、家がぐちゃぐちゃになってしまう母親ミセス・エメリー。
私も、マーガレットとメアリー姉妹のようにきちんと生活したいけれど、すぐにミセス・メアリーのような生活になってしまうので、ちょっと身につまされる(〃∇〃)

ところで、私は、'Miss Read' は、ペンネームなのだと思っていて、ネットで調べたら、フェアエーカー村の校長先生で、彼女の目を通して、村の姿を描いたシリーズらしい。

私の読み落としでなければ、この"Village Christmas"には、'Miss Read'が出てこなかったので、それがわからなかった。

本の冒頭の解説のページに、'Miss Read',or in real life Mrs Dora Saint,is a teacher by profession…….
と書いてあるので、作者は、Mrs Dora Saintという人なのかな。その辺りをわざとあいまいにしている作品なのだろうか。