紙コップのオリオン/講談社

市川朔久子 著

(あらすじ)
中学二年の論里(ろんり)の母が、なんだかよくわからない置手紙を残し、家を出た。残された父と妹の有里と三人で助け合い、なんとか家事をやって暮らしていく。そんな折、中学で、創立二十周年記念行事実行委員についうっかりなってしまった論里。初めは、気が進まなかったが、次第にメンバーと心が通い合い、行事に向けて盛り上がって行く。そして、母の家出の理由は…。


初め、20周年記念行事で描く文字が、『絆』に決まりそうな時、え?そんな無難な過ぎる文字に決定?この本、そんな話?と思ったところで、ひっくり返る。その辺りのストーリー展開が絶妙だと思いました。論里の母の行動は、ぶっ飛んでいますが気持ちはよくわかります。

次男が中学で薦められて読んでいた本だけあり、読後感も爽やかです。

東野圭吾も湊かなえも良いけれど、中学生に、こういう等身大の本もたくさん読ん欲しいな。