乙女の密告/新潮社

赤染晶子 著


(あらすじ)
「乙女の皆さーん!」大学随一の変わり者のバッハマン教授が、みか子たちの大学の講義に突然入ってきて、明日までにアンネの日記の1944年4月9日の部分を暗記してスピーチせよ、と言い放ち去っていく。この日は、警察がアンネの隠れ家のドアのすぐそばまで来た日で、アンネが、自分がユダヤ人であることを痛いほど自覚し、自我に目覚めた日だった。大学のスピーチコンテストや『アンネの日記』を通して、みか子たち学生は、自分のアイデンティティを確かめていく。

池上彰の『世界を変えた10冊』の中の『アンネの日記』の章で、この本が紹介されていました。外国語大の学生が『アンネの日記』をバッハマン教授と解釈していきます。

奇想天外なストーリーだが、最初は、ライトノベルスのようにするすると読めた。でも、後半なるにしたがって、乙女たちの自我の目覚め方がよくわからなった。ネットのレヴューに『アンネの日記』を読んでいないからわからないのかな?という記述があったけれど、そうではないと思う。わかりやすく書かれていないのだ。自分で考えましょう、ということか。

ストーリーは追えて楽しく読んだけれど、結論はわからないまま終わった。もう一度読めばわかるのかな。

143回芥川受賞作品。でも、お風呂に一時間入っている間に読めました。