幽霊の恋人たち―サマーズ・エンド/偕成社

アン・ローレンス 作  金原瑞人 訳 佐竹美穂 絵

三姉妹(べッキー、リジー、ジェニー)が住む宿屋、オーク荘に一人の不思議な男、レノルズさんが現れ、宿屋の仕事の手伝いをしながら、ひと冬をそこで過ごすと言う。レノルズさんは、二階の三姉妹の遊び場を使わせてもらうため、三姉妹に家賃として、幽霊にまつわる不思議な話を、いくつも語ってくれるのだった。

最初のうちは、レノルズさんの話す、不思議な話が物足りないかも、と思ったのですが、登場人物が、賢かったり、働きものだったり、自立していたり、好感がもてる女性が多く、読んでいて、だんだん心地よくなった。

作者のアン・ローレンスは、民話や伝説を素材にした物語を作るのが得意だそう・・・なるほど納得。私が、イギリスの地理と歴史にもう少し強かったら、これはこのあたり地域の話、時代はこのくらい、等、もっと深く読みこめたのかも知れません。

この本も、翻訳の先生からいただいた本です(いただいた本、全然読んでいなかったじゃないか )。

「偕成社ワンダーランド―ファンタジーの世界―」というシリーズの中の一冊で、このシリーズの中には、富安陽子さんの『ぼっこ』、安房直子さんの『花豆の煮えるまで』、上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』等も入っていて、私的に、要チェックのシリーズだなと思いました。