「令和6年能登半島地震」発生からはや4ヶ月。被災地では倒壊した建物がそのままになっているという情報を、ニュースやSNSなどで頻繁に目にする。

 

そのため「一度現地を確認しに行きたいな」という思いをずっと抱きつつ、でも物見遊山的に訪れるのは失礼だし・・・

 

そんな葛藤をずっと抱いていたところに目に入ったのが、輪島朝市の出張開催がGWに実施されるというニュース。帰省中の岐阜県から朝イチで向かえば間に合いそうだなと急遽予定を組むことにした。

 

 

前回の3月開催には1万人以上が訪れたということで、朝市がスタートする8時前には到着しようと、早朝5時ちょうどに出発。

 

途中の小休憩をはさみつつも、7時50分頃に開催地の「金石(かないわ)港」に到着する。幸いにも会場すぐ前の駐車場に車を停めることができた。

 

 

正式な開会時間の前ながら、もうすでに会場は人でいっぱい(自分が知る限り、どの朝市もすべて開会時間前から人がたくさん入ってる)

 

 

会場は金石漁港の荷捌き場と、加賀建設の敷地内を利用。ただしこの漁港は現在、漁船こそ係留してるものの水揚げ作業は行っていないとのこと(水揚げは金沢漁港のほうに回るらしい)

 

 

出店者はこの通り。いずれも(本来の)「輪島朝市」の出店者ばかりで、公式HPの出店者ページと突き合わせながら会場を回る。

 

このページを見ると、被災前の出店者は200名近くにもなる。こんなに大規模だったんだなあと。一度の現地に訪れなかったことが悔やまれる。今回の出店者はそのうちの1/6ほど。

 

 

とりあえず端から順に一軒ずつ覗いていく。

 

 

被災地の復旧が全然進んでいないことから、生鮮(鮮魚・農産物)はさすがになく、干物や糠漬け珍味などの塩干ものと、輪島塗などの工芸品が主体。

 

 

単純な疑問として、現地で生産活動ができずにどう商品を用意しているのかが気になったので聞いてみると、

 

 

「震災前につくっていたものの在庫がある限り」というパターンと、水産加工品については「金石港脇の施設を借りうけて生産している」という回答が多くあった。

 

 

今回購入したのは、輪島塗が高森洋子さん、乾物・珍味が尾崎明美さん、いわし、ふぐの卵巣のぬか漬けが二木由喜美さんのお店など。(親もばらけて買い物をしていたので、すべての購入先までは分からず)

 

 

そして朝市会場のそばに、朝から店を開いている飲食店があると聞き、買い物の最中に覗いてみると、もうすでに営業が始まっていた(土日は9時からだが、朝市に合わせて8時頃からオープンしていたみたい)

 

「ゆっくりしているとお店がいっぱいになっちゃうかも」と買物を中断して朝食を取ることに。

 

 

このお店の経営は、隣に本社がある加賀建設。今回の朝市の主体者でもある。賑わっている魚市場でもなく、「なぜこんなところで」の疑問をぶつけると、最近この金石から(醤油の産地で知られる)大野一帯が穴場の観光スポットになりつつあり、地域を盛り上げるためにオープンしたそう。

 

非常にお洒落な店内で、地元物産のセレクトショップも併設しています。

 

 

提供メニューは、ほぼ「そらみそ定食」一本というスタイル。それ以外は、単品の組み合わせ。

 

 

上のような幾種かのお味噌汁からどれか、そしておにぎり2個をセレクト。甘えびの提供がなく、季節限定も準備中だったため、全員とも看板の「めった汁」を頼むことに。「めった」とは「めっちゃ(たくさん)」の意味で、色んな具材がたくさん入っていることから名づけられたよう。

 

 

その代わり、おむすびはあるだけほぼすべての種類を注文。ただ、初めての訪問だとこの選択作業に少し戸惑い時間がかかる。後ろに人が並んでいると少しプレッシャー。

 

 

出てきたお膳がこちら。器は木製主体で可愛らしく、おにぎりは見事に真ん丸。具材は中にもたくさん入っています。

 

 

絵面としてはあまり美しくないけれど、「めった汁」の中身。酒粕入り豚汁といったイメージで、右側の赤い「豚の味噌漬け」が入っているのがめった汁ならではの特徴とのこと。

 

 

テーブルの上に買ってきたものをずらり。このうち、カレイの昆布締めと、いわし&ふぐの卵巣はその日の晩にいただきました。

 

 

食後は荷捌き場の裏側、加賀建設の駐車場内に設置された会場へ。

 

 

こちらは飲食主体のブース。

 

 

「輪島産!!!」と書かれていたら食べたくなるけど、今食事を済ませたばかりだし。。。

 

 

さらにこちらのバーベキュースペース。

 

 

こちらの干物を買って、その場で焼いて食べられるというもの。いいなあ・・・

 

全国の観光漁港には海鮮バーベキューのお店がけっこうあるけど、食材の鮮度と素性がよく分からないことが多いから、個人的にはこういう方が安心して食べられる。種類もたくさんあるし。

 

 

とはいえ、今回は見ているだけ。食べている方に写真を撮らせていただき、名残惜しくも朝市会場を後にしました。