「公設市場」と言えば、中央卸売市場や地方卸売市場など、自治体が設置した”卸売市場”を思い浮かべがちだが、実は公設市場には卸売りと小売りの2パターンあって、通称的に「公設市場」と表すのは、小売り形態を指すほうが一般的なのだという。
古いものでは大正時代からあるが、スーパーなどの台頭でやがてその使命は終わりを迎え、今では大多数が閉鎖されている。
名古屋市内は、中日新聞のこちらの記事に ”1918(大正7)年の米騒動を受け、市民が日用品を安定した価格で購入できるよう、名古屋市が設置した小売市場。市内には最盛期で15の市場があった” との記載があった。
今では5つの市場が残っているが、そのなかで「築地公設市場」は休業中で
以前訪問した「大高市場」も、核となる生鮮小売り店は撤退したままになっている。
今回はそんな名古屋の公設市場のなかから、今も生鮮小売りが現存していて、飲食店も併設されてるという「徳川公設市場」へ
市場内唯一の飲食店「麺屋りつ」は口コミの内容もよくて、楽しみに現地を訪れた。
ただ、表から見えるのは生鮮スーパーのみ。あれ?どこにあるんだろうと中に入っていくと、
売場の一番奥の左手(この写真の売り場ケースの裏手)に
スーパー内のフードコートのような感じで、お店が出現。
こういうシチュエーションは、現代ではなかなか無いな。リニューアル前の「八戸市魚菜市場」や、閉店してしまった仙台朝市の「しょう家」などがふと頭をよぎったが、今もこの形でお店が存在し続けていることは非常に稀有だし、とても楽しい。
色々なネット情報を総合すると、以前入っていたうどん店が閉店した後、2021年に製麺会社の社長も務めた現オーナー(女性)が事業を引き継いだようだ。
お店に入って一声かけて、そのリアクションや立ち振る舞いが、小さなお店の店主のそれではないなと思ったので、調べた結果を見て、なるほどと納得。
メニューはこの4パターン。それぞれ量と温冷の違いと
あとは天ぷらメニューをどうトッピングするかの組み合わせ。
きしめん好きの自分としては、迷うことなくきしめん一択。ということで、「かけ」690円に、かき揚げトッピング(190円)を注文する。
個人的にきしめんと言えば、名古屋駅ホームの味がスタンダードになってるが、出汁はそこまで甘く強くない。ちょい甘めの優しめ。一方で「麺」。これが見たことないほどに薄い。ネット情報だと一般的なきしめんの厚さの半分ほどだそう。しかも少し幅広で、よくこのコシを作れてるなと驚くほど噛み応えもいい。
一杯食べ終わって、これくらいならお腹に余裕があるし、冷たい麺ならどう食感が変わるか試してみたくなって
冷やしバージョンを追加注文してみる。名古屋ではぶっかけのきしめん(蕎麦・うどん含む)を「香露(ころ)」というのだそう。
名古屋文化圏の生まれだけど、今回初めて知った。
さっきのかけバージョンの写真では分かりにくかったけど、香露のほうをアップしたら麺の形状はイメージしやすいかな。
冷たいと弾力がさらにアップして、噛み切るときは文字通り「ぷっつん」と言った食感。こちらの麺の特徴をよりはっきり感じることができる。かなり好きなタイプの麺です。
カウンターの脇に、こんな売り場があったので「生きしめん」を購入して、その日の晩ご飯に。
これだけ薄いと、素人では茹で方が難しいかなと思ったけど、麺の生地が強いからかまあまあうまくいきました。
ちなみに、この徳川公設市場から東に数分歩くと
尾張徳川家の邸宅跡に造られた池泉回遊式庭園である「徳川園」、開設から90年以上の歴史を持つ「徳川美術館」がある。
偶然にもこれらの場所は、まだ数か月前に来たばかりなので今回は中に入らず、周辺を回るだけで
帰り道にバス停を探して歩くと、偶然「徳川公設市場」の裏手の道路に。児童施設!?と見紛うような、こんな可愛らしいエントランスがありました。




























































































