全国でもダントツに"漁協直営食堂"が充実している静岡県。若干情報は古いけど、静岡県の公式ホームページにも専用の一覧紹介ページが設けられているほど。

 

この中でまだ訪問できてない残り僅かな漁協食堂「内浦漁協直営いけすや」が今回の目的地。ここ内浦は、"日本一の養殖マアジ生産出荷量"が売り文句で、「いけすや」もかなりの人気店だそう。

 

 

起点は伊豆箱根鉄道駿豆線の「伊豆長岡駅」。駅の真ん前から「伊豆・三津シーパラダイス」行きのバスが出ており、20分ほど乗車した「農業会前」が最寄りのバス停。

 

 

バスを降りて坂道を少し降りると直ぐに、内浦湾の海岸線に突き当たり

 

 

このT字路から右に曲がって数分歩くと漁港の目の前に「内浦漁協直営いけすや」の建物が現れる。

 

 

到着は10時40分(4/14日曜)。開店まで20分あるものの、すでにたくさんの人が待っているようで、ちょっと不安に。。。

 

 

受付は整理券方式で、発券はなんと9時から!!!これは発券機に行くまでもなく、長時間待ちを覚悟。。。当初は、もう1時間前に行こうかとも思っていたけど、「いくら人気店とはいえ西伊豆だし・・・」と甘く見ていた。

 

 

実際は、その悪い予感の遥か上を行く1時間半待ち。こんなに来るのか。。。ということで食後予定していた内浦散策を、先に持ってくることにしました。

 

 

さっきのT字路を、いけすやとは逆のほうに進むと、「日曜市」(奥するが湾日曜市)の幟が現れる。場所は内浦魚協荷搬所のところ。

 

 

しかし会場はすでにこの通りで、干物屋さんが一つ残っているだけ。調べると開始は朝7時からで、「もっと早く家を出ればよかった!」が早くも2回目。※さらにもう2回続く

 

 

漁港から海を眺めると、養殖いかだが幾つか。こんなに近い場所でアジの養殖をしているのかな?と聞きたくても、漁師さんらしい人の姿はなく、釣りをしていた人に聞くと「あれがそうだよ」とのこと。

 

 

さらに歩くと、水揚げ所につながった形でもいかだがある。

 

 

覗いてみると、アジらしき魚がいっぱい。さすがにここで養殖しないよね?水揚げした魚を泳がせているだけだよね??などと考えつつ、釣り客にあまり突っ込んでも何なので、結局すべてがよく分からないまま漁港を出る。

 

 

そして、来る前から登ってみようと考えていた「発端丈山 見晴台」を目指す。Googleマップに乗っていた写真がとてもキレイだったのと、その割にはあまり時間がかからなそうな距離だったのが決め手。

 

 

 

そこで、Googleさんの指示に沿って

 

 

「伊豆・三津シーパラダイス」の前の坂道を上がっていきます。

 

 

しかし、数分歩くと、突然道は行き止まりに!!

 

どこか回り道でもあるかと探したものの、それらしきものはなく。。。引き返す途中の民家の人に尋ねると「この道からは行けないよ」「間違えてくる人が凄く多いんだ!」とのこと。みんなGoogleさんに依存しすぎだな笑

 

 

そして「案内所に行けばしっかり教えてくれるよ」とのアドバイスのもと、「三の浦総合案内所」に向かう。着いて驚いたのが、建物内部も外部も、アニメのポスターやフィギュアだらけのこと。

 

 

まったく不勉強だったけど、この内浦地区は人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台だそうで、聖地巡礼の拠点になっているよう。若い男の子たちが入れ替わり立ち替わり来ていた。

 

とはいえ自分の目的は「発端丈山 見晴台」。時間は気になったものの、案内書の人の「10数分も歩けば着くよ」の言葉に後押しされ、地図を持って出発!!

 

 

しかし、この地図も分かりにくいなあ!ということで、同じように迷った人のために、今回は本来の意図とは別に、もうしばらく登山ガイドを続けます。

 

 

気付かないような小さな看板だけど、これが上の地図の「長浜口」とあるあたり。ここから海を背に「住本寺」のほうに進み、

 

 

お寺を左に見ながらもう少し登っていくと、今度はハイキングコースの新しめの看板が現れます。ただし看板類の存在(自分が気づけたの)はこれが最後。

 

 

ここから段々畑の急こう配を登っていき

 

 

気付くとまた行き止まり!

 

しかし先ほどの案内所の方の「これで合ってるのかなと思っても信じて進んでみて」の言葉を頼りに、左側の細いコンクリートを上がっていきます。

 

 

道と言うよりも、がけ崩れ防止の舗装みたいな見た目の通路で、枝や葉っぱに体をぶつけながら進みます。急坂もあるし、落ち葉も多いし、雨上がりとか露とかで路面濡れていたらけっこう危ないかな。

 

 

そんなこんなで10分くらい歩いて、ふと左側にこんな看板を発見!!

 

展望台みたいなところを予想していたのに、見事に単なる小さな空き地。油断してると気づけないかも。一つだけ小さな踏み台があるのがご愛敬。

 

 

こんなちっぽけな見晴らし台だけど、見通せる角度が非常にいい。残念ながらこの日は、富士山が霞んで見えなかったけど、内浦湾や内浦漁港周辺が一望できる。わずか10分の登山で、この展望が味わえるなら十分にお薦めです。

 

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目的を達したところで、急いで「いけすや」へ引き返します。到着は11:56頃。チケット受け取って76分、開店からは56分と、「89分待ち」の時間にはまだ余裕があると思いきや

 

 

もうすでに51番のお客さんが呼び出され中。。。単純計算なら、書かれた時間の半分以下の40分以内には呼ばれていたことになる。

 

しかし有難かったのは、待っていた時間が無駄になる(一度飛んだら後回しになる)ことが無かったこと。番号を伝えると、すぐに席の調整をいただきました。

 

 

中に入るとすぐに注文カンター。左側の掲示板に「整理券方式」の説明が大きく記載。Googleとかでは「入店の仕組みが分かりにくい」といったツッコミがいくつもあるけど、少しも分かりにくくないです。

 

 

詳細メニューは注文カウンターにしか置かれてなかったので、光が反射してかなり見難いけれど。かなりたくさんのメニューがあります。

 

カウンターに来てすぐ、これだけの中から注文を即断するのは少し厳しいかな?どこか他にも、メニュー表があったんだろうか。。。

 

 

店内はこんな感じ。ガラガラのようですが、偶然目の前の二組のお客さんが同時に帰ったタイミング。

 

 

こちらで働く人が、写真と名前付きで紹介されています。どなたと話しても非常に好感が持てる方ばかりでした。

 

 

またカウンター下のほうには、生産者の名前も掲示。こういうところが漁港食堂ならではの魅力です。

 

 

・・・ということで、注文した品が出てきました!

 

残念ながら、楽しみにしていたこの店ならではの「二食感のアジ丼」(活けアジと一晩寝させたアジの組み合わせという、かなりくすぐられるメニュー)は売り切れ。

 

「限定」とあるし、この時間なら仕方ないなと受け入れたものの、聞くと「ほんの直前まであった」ということで、今日3度目の「もっと早く来てれば・・・」

 

 

アジ丼のアジは、写真のようにめっちゃ量がある。食べてみると、ちょっとトロっとしているようで、しっかり食感もあって美味しく感じる。ただ”生きのいい養殖”のイメージそのもので、”良い天然”と比べると、少し物足りなく思う人もいるかも。

 

 

あとは単品を少しずつ。こちらは活けアジのわさび葉寿司。関西の「柿の葉寿司」と同じテイストながら、わさびの葉を使っているのが、静岡らしくて良い。1貫から頼めるのもありがたい。

 

 

そして定番のアジフライ。こちらはサイズを選べるそうで、小・並・大とある。選んだのは「並」。

 

アジフライはこの漁港食堂シリーズでも、色んな町や店で食べてるけど、最近はどこで食べても何か少しずつ物足りない、というかよく分からなくなってきた。美味しいと言えば美味しいのだけど、そもそもがアジフライ好きだったはずなのに、「美味しいアジフライってこんな感じだったっけ?」というのをどこ行っても感じる。

 

 

冒頭にも書いたように、ここ内浦は"日本一の養殖マアジ生産出荷量"の街。それなのに、最近は安定してアジの入荷ができていないとのことだった。ホームページのお知らせにも、「4月12日(金)より全メニュー『いけすやの活あじ』再開のお知らせ」とあったり、アジの代わりにタイを出す時期があったりと、”全国一の養殖場”でもこんな状況なのかと切なくなる。

 

理由は言うまでもなく海水の温度。出荷できる大きさまで、なかなか予定通りに育てられないそう。

 

店内で売っていた干物類も、長崎産ばかりでびっくりしたけど(最近は、どの街の店も長崎産のアジをよく見る。この内浦の養殖も、長崎の稚魚を育てているらしい)、裏に回ったら地物のアジやタイの干物もあって、ひと安心。

 

 

ただ今回は、もう少し先の西浦で獲れたという、ひじきを買って帰りました。そして「いけすや」を出て、内浦を後にします。

 

 

ちなみにバス通りのT字路の角にある食堂「やまや」さん。この日は3度ほど営業時間に前を通りましたが、終始店頭でお客さんが並んで待っていました。

 

 

その後、社内も外も萌えキャラだらけのバスに乗って、伊豆長岡温泉の「温泉駅」に途中下車

 

 

この日は、月に一度の「温泉場お散歩市」がある日で、バスもそのために迂回ルートを通っていたのですが、もうこの時間は跡形も何も残ってませんでした。たぶん、上の写真の場所あたりで開催されていたはず。。。

 

 

気を取り直して、日帰り入浴でも行こうと

 

 

伊豆長岡の「一号源泉」という謳い文句に惹かれて「いづみ荘」へ。

 

 

さらに狩野川の堤防沿いを歩いて、駅近くの温泉公衆浴場「温泉館」へとハシゴ。

 

15時のオープン直後にいったので、自分が一番乗りで。浴槽に入ろうと思ったら、これが尋常じゃなく熱い!!!「この街の人はこんなに暑いお風呂に入るのか?」「これはとても自分には無理だから、温泉はいらずに帰るしかないか」と逡巡していたら

 

地元の人が入ってきたので相談。すると単純に施設側のミスのようで、大量の水を入れて何とか入れるようになりました。

 

 

ここは源泉がかなり高温で(この表にあるように60度超)、これをそのまま入れただけ(加水タイマーが調子悪かったみたい)のようで。。。それはさすがに普通の人間には入れないです。

 

 

そんなドタバタの時間も楽しみつつ、最後は「特急踊り子」で東京へ帰還。