以前に一度、八王子エリアにどんな市場があるのか調べたときに見つけたのがこのページ。「八王子」と「卸売」の二つの文字が並ぶ施設がなんと3つもある。(※築地魚市場八王子支社は、現在府中の方に移転併合して今はない)

 

これらの施設の区別がよく分からないなあと東京都のホームページを確認すると、正式な「地方卸売市場」になるのは「東京都八王子北野地方卸売市場」のみ。扱いは青果メインで、多摩の地方卸売市場のなかでも、面積取扱高ともにけっこう小さめ。ここには、市場食堂と言えそうなものはない。

 

飲食店が併設されているのは、この「東京都八王子北野地方卸売市場」からJR中央線を越えて、もう少し北野駅(京王線)に近いところにある残り二つの施設。

 

こちらが「八王子総合卸売センター」。八王子総合卸売センター株式会社という会社がテナントを入れて運営している施設。

 

 

一方こちらが「八王子綜合卸売協同組合」。卸売センターとは違い、地元の店舗が中心となって組合方式で運営されているもの。入居企業一つひとつの看板が表の入り口にかかってる。

 

★10年前の記事ですが、「八王子綜合卸売協同組合」ができた経緯などがこちらに出ています。これを見ると1974年に、卸売センターとほぼ時を同じくして開設されたもよう。卸売センターがどんな会社かはネットではよく分からず。

 

 

今は駐車場を共有して店内も双方の出入りがしやすいようになっているものの、守衛所がそれぞれにあることからも、以前は完全に区切られていたかもしれません。

 

到着したのがもう11時頃(2023/8/12土)だったので、食事の前にまず市場内を散策

 

 

卸売センターの中核をなすのは、施設運営会社直営の商事部の店舗

 

 

そして「水産街通り」という通路があるように、鮮魚系の店はけっこう多め。その分というか、市場の目玉になりやすい"青果系"の店があまり目立たない。

 

 

この日この時間に一番人が集まっていたのは「激安食品マーケット サンケイ」。加工食品主体の販売店ながら、出店名は「三恵包装」とあり、上の写真にも黄色の文字で「三恵包装」と書かれた貼り紙がぶら下がってます。

 

 

こちらの鰻屋さんは、店内で膨大な鰻を焼き続けていたものの、価格表記も受け渡し用の窓などもなし。業者向けだけなのかな?

 

ちなみにこの日は「土曜市」の開催日ですが、通常の日も一般小売りはしている市場とのことです。【店舗一覧&マップはこちらから】

 

 

翻ってこちらが、協同組合側の店舗群。どちらも古い建物だけど、こちらの方がさらにレトロ感が強いかも。

 

ということで食事の時間へ。この市場の飲食店は、二つの施設を合わせて7つ(テイクアウト用カフェ含む)。見事にバラバラな場所にある。土曜日の11時過ぎであれば、もっと人がいてもいい気がするけれど、買い物客が一段落して食事のお客もいなくなったのかなあ。どの店も見事にガラガラだった。

 

 

定番メニュー主体でお手頃値段の定食屋さん。人気ナンバーワンと書かれた「プルプル丼」が気になったものの

 

 

この施設内では一番人気っぽい「市場寿司たか」に入ることに。先客は二名。カウンター7席しかない小さな店で、その後10分くらいの間に、もう二組ほど来店。プラス、テイクアウトも。以前は市役所の近くで店を構えていたけど、そこからこちらに移転してきたらしい(常連のお客さんが言ってた)

 

 

中心メニューはこの4つ。他に漬け丼とかしらす丼などもある。寿司屋さんなので、ここは寿司かなと「特にぎり」を注文。

 

 

この値段で、アワビ、ウニ、イクラが揃う。白身がホウボウとメバル、なめろうの軍艦もあるというのが渋いチョイス。壁のメニューボードを見ると、いずれも一貫200-300円なので、セットの割引率はけっこう高め。ただちょっとつらめのネタもあったりして、これくらいの価格帯の寿司屋は、どういう基準で評価するべきか難しい。

 

 

他のお客さんはこちらの豪快丼の注文が多い。確かに海鮮丼としては破格の値段だし、こちらの方がこの店の真価がよく分かったのかも。

 

 

せっかく八王子まで来たので「もう一軒、今度は協同組合側の店を」ということで、海鮮丼屋さん(海鮮どんぶり処 心)に向かうも、海鮮続きなので少し味替えをしたいと喫茶店(コーヒー喫茶ワンダ)を先に寄ることに。

 

しかしこの店がなかなか見つからない。Googleマップで見ると、駐車場側の「心」の横あたりに表示されるのだが、そこに"らしき"ものはなく、「心」の店舗の裏側に回ったところが実際の所在地だった。

 

 

この施設の右奥の行き止まり立地で偶然通り過ぎる場所ではないため、「探すのが難しかった」とお店の人に話したら、「少し前に、『市場に通って20年になるけど、初めてこの店の存在に気付いた』と言ってた人がいるよ」と笑って返してくれた。

 

 

入店時に「レトロな固めプリン」と書いてあったのに惹かれたのだけど、何と8月だけ販売休止中。ありゃりゃと一度は拍子抜けしたものの、店内を見渡すと僅か200円の「おにぎりセット」がある。これがめちゃ気になって、海鮮丼はもうあきらめてこちらを注文することに。

 

 

それがこちら。おにぎりは大きめ、味噌汁は少ししょっぱめの市場めし仕様。「市場のお客さんは急いでる人が多いから、このおにぎりはとても重宝される」とのこと。冷房の効いたお店で、できたてのおにぎり食べて200円しかかからなかったら、それは重宝されるにきまってる!!ちなみにおにぎりの具で選んだ梅干しは自家製とのこと。

 

▲アイスコーヒーも350円と安い! 日替わり定食は550円

 

ちょうど市場のどこかのお店から「おにぎりの出前」を5個頼まれて作ってた。「市場の人たちのため」を第一義においた店はもう絶滅危惧種になりかかっているので、こういう経営姿勢を垣間見れたことは嬉しい。(お店がオープンしてから23年経つというから大丈夫なんだとは思うけど)ちゃんと商売になってるのかな?と少し気になりもする。

 

この出前のおにぎりの具(昆布の佃煮)の話をしていたら、市場内で買ったということで興味を持つと、お店の方がその店舗まで案内してくれた。

 

 

もう閉店直前の中、その佃煮を出してきてもらう。

 

 

しかしこれが1kgサイズの1種類しかない(あくまでも業務用なので)。飲食店経営してるわけじゃないし、どうしようか一瞬悩んだものの、みなさんの好意を無碍にしちゃいけないなと購入(税込1,598円)

 

帰宅後すぐにパックに小分けして、まずその日の夕食でごはんのおかずに。お茶漬けとかおにぎりとか、少しずつ食べていきたいと思います

 

▲帰りは、全車座席指定特急「Mt.TAKAO号」初乗車