3月17日(日)第15回全日本中学高校女子ラクロス選手権大会東日本第5代表決定戦が行われた。(以下全中高ラクロスと略す)
この全中高ラクロスには8校が参加し、東日本4チーム、西日本3チームの参加校は既に決定しており、所属チームの多い東日本5つ目の出場枠ワイルドカードが与えられている。
今日はその東日本第5代表を決定する戦いが行われた。
今回参加したのは、昨年の秋のリーグ戦の1部ベスト8下位4校から勝ち残った2校、日本大学高校中学と桐蔭学園高校に秋の2部優勝校の都立小石川中等教育学校が参加する形。今年も東北地区代表の参加は無かった。
<参加校>
①日本大学高校中学 AQUA 1部ベスト6
全国大会優勝2回を誇る強豪。今回も力はあったが、組み合わせの不運もあり決定戦に回ることになった。
元々、高い守備力から攻撃に結びつけるチームなのだが、今回のチームはどのような形なのか注目された。
②桐蔭学園高校 SERAPHS 1部ベスト6
全国大会優勝1回。毎回自分たちでやって楽しいラクロスを全員で展開するチーム。全員で30分間走り抜けるかがポイントとなりそうな予感がする。
③都立小石川中等教育学校 POWERPOINTS 2部優勝
初の2部からの全国大会出場を狙う、全員一丸となったラクロスが自慢の中高生らしいチームだ。自分たちで考え、練習を重ねたものを試合で出して勝利に繋げる。爽やかなチームが、1部の壁に挑戦する。
3チーム総当たり。1ゲーム 15分ハーフ の特別ルール。2024年度の新ルールの適用は無し。*1
【第1試合】
小石川中教校はゴーリー0番の8セーブで健闘するも、前半ドローを支配され波状攻撃にさらされ、磨いてきたグラウンドボール(GB)も日大高中のアプローチが上回り、GBを取り切れずにゲームを支配された。後半12番のバックアンダーショットなど練習の成果を4点獲得で示したが、前半のハンディキャップが大きかった。ショット7本が全てゴーリーの腰から下に行ってしまっていた。この点は上位チームと戦う時の改善点だと見ている。
日大高中は秋に比して、体格も良くなり、動きも速さを増していた。20番に頼りがちだったゲームメイクもポイントが増え、長身72番に強さと柔軟さ、視野の広さも備わり、18番のショットのスピードには驚かされた。日大高中の秋からの進化を感じさせる一戦だった。
【第2試合】
桐蔭学園高校 vs 都立小石川中等教育校
1時間の間隔があるとは言え、いつもより長い15分4Qを戦うことになる小石川中教校には厳しい戦いとなったが、最後まで攻撃の姿勢を崩さず全員が走り切ったのは。小石川中教校らしいひたむきで爽やかな戦いぶりは印象的だった。
桐蔭学園は、GBこそ勝ったが前半ミスも多く、ショットも前半20本の内5本しか決められなかった。小石川中教校ゴーリー0番の11セーブ(前半8セーブ ワオ)もあったが次戦に不安を残す
黒が小石川中教校0番ゴーリー
ゲームとなった。
<こぶ平’s Eye>
都立小石川中等教育校は都立の中高一貫性の進学校(通常の高校3年生は6年生と呼ばれる)で練習時間も少ないハンディキャップがあるチームだが、自主練習と自分たちで解を見つける思考力の高さで考え抜いたラクロスをひたむきにプレイする姿は清々しいものがある。ぜひ、そのラクロスの良さを引き継いでいっていただきたいものだ。
【第3試合】
日本大学高校中学 vs 桐蔭学園高校
昨年の秋のリーグ戦では同じブロックで戦い
後半日大高中の攻撃が爆発逆転勝ちをし、ブロック1位となっていた。その再戦となった試合は、秋と同様の展開を見せたが、
秋と異なり15分 2H制となっておりその展開が桐蔭学園側に吉と出た形だ。1H5分の長さが3対1から6対1の差となり、2Hで終了という短期決戦で、桐蔭学園の苦しんだ後半を回避できた。それでも1Hの畳みかける攻撃は見事なものがあり、日大高中の前半6本(全て枠内)のショットの5本をセーブした10番ゴーリー合使選手の活躍と、ゴーリーのセーブしやすくなるように守った守備陣が勝利に導いた部分は大きい。そして、7対4と追い上げられてから最後に突き放す1点を決め切った87番?の集中力も大きかった。
日大高中は、前半持ち前の攻撃力を封じ込まれて逆に守備時間がながくなり、守備の綻びを生じさせられた。ただ、4Q制であったら逆転までたどり着けたかもしれない。その辺は不運な面もあったのかもしれない。18番青山選手のミドルショットの威力には驚かされたし、長身の72番の選手の秋からの成長にも驚かされた。4月から始まる春のリーグ戦では改めて優勝を狙えるチームへとなってほしい。10番ゴーリーの進化に成長にも大いに期待をしたい。
白 日大高中18番の躍動感あるショット
こうして、第15回全日本中学高校女子ラクロス選手権大会の出場校が全て決定した。
<東日本>
東京成徳大学中学高校(14大会連続出場*2 5回優勝/最多)
都立飛鳥高校(初出場)
横浜市立東高校(2回優勝 前回優勝)
目白研心中学高校(4大会連続出場*2)
桐蔭学園高校(1回優勝 2年ぶり)
<西日本>
立命館宇治高校(前回6位)
同志社高校(2回優勝 前回4位)
大阪国際中学高校(初出場)
☆トリビア
昨年2位の日本大学高中、3位の大妻多摩中学高校の東日本勢。常連校の関西大学中・高等部の西日本代表の出場が叶わなかった。これは関東の秋季リーグでインフルエンザの流行の影響から予想外の結果が生じ、参加を決めるトーナメントの片側に昨年出場の4チームが終結し星の潰し合いとなった事。
実力の拮抗化が招いた結果でもある。西日本ではここ4年間で3チームの加入(常翔学園中高、聖霊中高、大阪国際中高)があり競い合いが激化した結果の地殻変動とも言える。
という事で、新たなステージを迎える第15回全日本中学高校女子ラクロス選手権大会は3月29日(金)~31日(日)の日程で神奈川県三浦市潮風スポーツ公園多目的グラウンドにおいて実施される。観戦は自由なので是非見ていただきたい。
そして明日から出場校の紹介をしていく。最初は初出場の2校をフィーチャーする。
やっぱりラクロスは面白い!!
こぶ平