NCAA Division1 ラクロス##男子先週の振り返り#ここで下克上が | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル

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シリーズでお届けしているNCAAラクロス2024今回は男子1部(Division1/D1)先週の結果を振り返る。

男子D1は76校が所属するが、今季は地殻変動的な動きが起こっている。それは最後に書くとして、先週は25位以上のらんかーの間で6個のアップセット(下剋上)が起こり、とりわけ昨シーズン4月10日付ランキングで1位を保ってきたノートルダム大学がランキング19位のジョージタウン大学に黒星を付けられた。

先週の結果

ハーバード大学(ILランク21位/USALMランク17位)がブライアント大学(ILランク21位/USALMランク18位)を破って全勝を守って久々に存在感を示している。(添付IVYリーグランク)

NJIT(ニュージャージー工科大学)については後述するが、コルゲート大学は今季好調だったが、下位とは言え実力校のヴィラノヴァ大学に完敗した。メリーランド大学は実力校のプリンストン大学に快勝し、優勝を伺う可能性高めている。

そして先週最大のアップセットは19位(IL)ジョージタウン大学が昨年チャンピオンでここまでランキング1位のノートルダム大学を破ったものだ。

ジョージタウン大学の守備の健闘がもたらした勝利だが、結果的には今年も昨年以上に混戦状態の男子D1のリーグ戦になりそうだ。

その結果ランキングは大幅に変わった。

デューク、ヴァージニア、メリーランド、デンヴァー、陸軍士官学校の無敗組が順位を上げ、ノートルダムは6位に後退した。

14位以下

大きな変化が見られた。特に30位以下だった大学の台頭が目立った週だった。

特にNJIT(ニュージャージー工科大学)という聞きなれない大学のランクインがひと際目立つ。

NJITは1881年創立の州立工科大学だが、マサチューセッツ工科大学と比べて日本での知名度は低いが、その地理的優位性もあって全米での人気は高い。

「ニュージャージー州ニューアーク市に本部を置く全米屈指の工学系州立大学。研究開発が盛んな少数精鋭の工科大学で知られ、カーネギー高等教育機関分類 R1 の一校に指定されている。ウォールストリートジャーナル紙によるランキングで、全米トップ20校の一つに選ばれている。比較的小規模の大学ながら2022年度予算は約750億円(USドル6億弱)を確保。建築学部を有する州内唯一の公立大学。」fromウィキペディア

日本では東京工業大学に当たるのだろうか?そんな工科大学にD1ラクロス部があるのがアメリカらしいのだが(日本では東京理科大学、京都工芸繊維大学、北海道科学大にはある)、2015年にNCAA Division1(AmericaEast)に参入以来2023年シーズン終了まで9年間8シーズンでわずか9勝しかしていない。

20年はコロナで中止

2022年は全敗。現在のエリック・ウルフHC就任(2023年)前は8年間(97試合)で7勝しかしていなかったチームが、今季開幕から破竹の5連勝を飾り、史上初のランキング30位以内(InsideLacrosse誌)を得た。

インサイドラクロス誌によると

「現在のHCエリック・ウルフ氏は、NJIT(ニュージャージー工科大学)の男子ラクロスチームのヘッドコーチとして、印象的な立て直しを実現しています。彼が 2022年の夏、NJITのコーチとして初めての日に、彼は個別のミーティングを47回行い、「一番気になることは何だろう?」と選手たちに尋ねたそうだ。答えは「夏にNJITでプレーしていることを人々にからかわれることがあり、それは痛かった」。ウルフ氏は、それが二度と繰り返されないように誓ったそうだ。


その1年半後、現在、NJITは注目を集めてる。彼らは5-0の完璧な成績を持つ今季最初のチームであり、そのストーリーは魅力的だ。

シニアクラスは、数年間の敗北に耐え抜いた経験から、もう敗北は十分だと決断した。彼らは目標に線を引き、目的にコミットし、自分たちが思っている以上に優れていることを信じるようにした。敗北は彼らに影響を与えたが、今や彼らは流れを変えている。
NJITの5年生は波乱万丈のキャリアを歩んできた。2020年のCOVIDの課題から始まり、次の2年間でわずか1勝しか挙げられず、2022年は無勝だった。その後、コーチ交代の不安があったが、2023年には希望が見えてきた。そして今、彼らは連勝中である。2015年のプログラム開始以来、NJITは2勝以上を記録したことはなかったが、ウルフ氏の指導の下で2024年2月までの15勝中8勝を挙げている。
昨シーズン、彼らの目標は明確だった:Command respect「尊敬を得る」ことだ。そして今、彼らは自分たちにふさわしい尊敬を得ている。
昨年、この躍進の種が芽吹いたきっかけについて、ウルフ氏は、昨シーズン初めのモンマス大学との敗戦を特筆すべき瞬間として挙げている。

ハーフタイムで8-2とリードされていた彼らに対して、ウルフ氏は通常は叫ばないタイプだったが、厳しい言葉を投げかけた。「君たちが埋もれていても、誰も助けに来ない。ロープを投げる人もいない。はしごを掛ける人もいない。援軍は来ない。我々だけだ。」とウルフ氏は回想してる。「だから、どうやって穴から出るかを決めなければならない。爪を使う、歯を使う、何でも穴から出るために必要なことを話し合った。君たちは自分自身でそれをやらなけならないんだ」。その試合彼らは差を縮め、その後数週間で2試合勝利した。そして1年後の先週水曜日、彼らはモンマス大学を劇的な延長戦で14対13と破った。🥍🔥」

今週水曜日のマンハッタン大学戦の劇的ゴールシーン

2月18日(日)から2月21日(水)そして2月24日(土) 1週間で3試合、3連勝の勝負強さを見せた。確かにAmericaEastと強いカンファレンスではないが、昨年64位のランクで終わったチームが開幕5連勝で25位レベルの評価を得ることになると誰が予想をしただろう。

今後のAEC内の格上チームとの戦いぶりに注目が集まる。

この他にも昨季63位で終えたコルゲート大学が先々週には20位に位置するなど、下位からの躍進が目につく。

日本でも、昨年2部からの昇格直後にも関わらず、グループ1位。全国2位にまで登った法政大学の例もある。

挑み続ければ、道は開くものなのだろうか?

 

だからラクロスは面白い。

こぶ平