9月29日のラクロスは全国でとても盛りだくさんの試合で盛り上がったラクロスDayとなった。しかし、ラクロス応援チャンネル的には苦言を呈したい試合もあった。
今回は、関東でファイナル4進出のポイントとなった試合を中心に速報的にお伝えする。
9月29日の関東学生ラクロスは3つのファイナル4*1 に絡む試合があった。そしてそのうちの2試合は対戦校以外の学校を巻き込む試合となっていた。
☆其の1
【男子D1Aブロック】
明治学院大学vs一橋大学
試合前の状況は上記で、9月21日に明治学院大学と一橋大学が勝利し、ファイナル4進出はこの2校に決定済で迎えた試合だった。
勝った方が1位通過となり、Bブロックの2位通過校とセミファイナルを戦うことになっている。そして、セミファイナルを勝ち抜いた2校に全日本大学選手権の出場権が与えられることから、セミファイナルへは1位通過で臨みたい状況だった。
そして結果は
結果的には今季最強の呼び声もあった明治学院大学が、それを確認するような試合展開となり快勝。初のファイナル4進出をブロック1位で成し遂げた。そしてこれにより2年連続で1部昇格校が即ブロック1位、ファイナル4進出という快挙を演出した(昨年は法政大学が昇格即ファイナル4。結果的にD1 2位、全国2位まで駆け上がった。そして入れ替え戦進出校の日本体育大学が1位、学生チャンピオンという下剋上の1年だったが)。
今年は獨協大学が5位、東京大学が6位という結果で、東京大学は新制リーグ戦になって(2009年)から初めての2部との入れ替え戦に臨まざるを得なくなった。
★其の2
【男子D1Bブロック】
日本体育大学vs慶應義塾大学
この試合は、ファイナル4の順位争いのみならず、日本体育大学が勝てばブロック1位/ファイナル4進出となるが、引き分け以下だと3位となり、連続のファイナル4進出を逃す形、連覇を逃す事になる試合だった。
そして、この試合の結果如何によりファイナル4進出が実現する事になる第3校目が応援に駆け付ける異様な雰囲気で試合が日本体育大学のホーム会場で始まった。
結果的には
逆転進出を狙う日本体育大学が前半に追いつくも、後半3番藤岡選手の1ゴール3アシスト、田代、池田選手の2得点に次世代の大類選手も得点しDFの頑張りも含めて慶應義塾大学が快勝した。
日本体育大学は2連覇の夢を絶たれた一戦となった。
互角の戦いを展開したが勝ちを取れなかった、武蔵大学5位、青山学院大学6位が2部との入れ替え戦に臨む形となった。
☆其の3
【女子D1Aブロック】
明治大学vs早稲田大学
この試合も、明治大学が破れると99%ファイナル4への進出の路が絶たれる、言い換えれば第3校が早稲田大学を応援する状況となった試合だった。こちらも観客席はWelcomeMatch以上の観客の入りで両校の応援で盛り上がったのだが、早稲田大学の勝利に賭ける別の応援は目立たない自制の取れた試合だった。
結果は、ラクロス応援チャンネルをして、今季最高の試合と思わせる素晴らしい試合となった。
アシストありゴール
済みません。試合に見とれていて正確なゴール者まで見切れていませんでした。
1Qから高速攻撃あり、トランジションの速さの応酬。ゴール前で速い動きに遅れることなく、予測もできる守備が最後まで切れない、無い隙を作って、こじ開けるのに、1オン1を駆使する試合は容易にアシストできる隙も生じない程の引き締まった試合だった。その激しさと強さとは裏腹にフリーショット(FS)を与えるような反則も少なく、ミスも少ない試合はスタジアム全体を釘付けにするものだった。
わずかに、後半の明治のドロー支配と、ショットの決断の良さ、最後の瞬間までボールを奪う隙を狙う粘りでわずかに上回った明治大学が、最後持ち前のキープ力で戦いきった末の勝利だった。
試合の趨勢を変えた3Q明治2番齋藤キャプテンの2度のショットの決断。最後にひきつる脚でのライドでボールを奪いランシューを決め切った4番熊谷選手の底力に明治大学の強さが現れた。
最終戦で学習院大学が東京農業大学に快勝し、4位を決め東京農業大学5位、明治学院大学6位が2部との入れ替え戦に向かう事となった。9月28日の中央大学の勝利と合わせて、男女D1の全ての順位が確定した。
そしてFinal4は
☆女子
☆男子
ここからは、2009年新制リーグ戦開始からのお話。
女子早稲田大学は8年ぶり3度目のFinal4進出。早稲田大学の男女アベックFinal4も2013年、2016年に続き3度目の事となる。
男子明治学院大学は初のFinal4、一橋大学のFinal4進出は2018年以来のFinal4進出となった。
さて、このFinal4を巡る試合の中で、ラクロスらしくない雰囲気に包まれた試合があった。今回これについて言及する事は悩んだのだが、ラクロスがラクロスらしくMakes friendの精神を高らかに謳う為にも、又これからオリンピック種目として注目され一般の目にさらされる中で、些細な事でも中傷の種になることを考えると一言添えておくことも必要かと勝手に信じて書くことにした。
【老人の諫言】
最初にも書いた通り、今年のD1の最終戦にはファイナル4進出のかかる試合が2試合あった。そしてその2試合とも、2番手につけるチームが敗戦をすると3番手のチームにFinal4進出の権利が回ってくるというものだった。(実は昨年にもあった。後に触れる。)やはり3番手の学校は、1番手の学校に勝ってもらいたい。観客の中にもその事情を知る者も多い、特に2番手の大学の勝つことに集中する選手の思惑とは異なる興味で盛り上がることになる。そんな状況下で問われるのは、3番手に着けている大学のふるまいだと思う。結果的には2番手チームの敗戦を願う形になるのだが、その気持ちは自分たちのチームの物であり、2番手チームへのリスペクトを持ちつつ、心の中で1番手チームを応援するのがスポーツだと考えている。
もしそこで、3番手チームが1番手チームに対して大声援を送り、その勝利を大いに喜ぶことがあったら、敗者となったチームの気持ちはいかばかりだろう。悲しさ、悔しさだけではなく、やはり大喜びする、3番手だったチームへの憤りすら湧いてくるものだ。(漁夫の利を得る為に応援していると、捉えてしまうのが普通。)対戦した相手に対するリスペクトの欠ける殺伐としたものになる事は想像できるのではないか?
所が、それが今回の男子の最終試合で起こってしまった。堂々とそれとわかる姿で、大声で対戦校を応援する様を見た、相手の選手、選手関係者の気持ちは荒んだものだった。
そして、結果的に2番手チームは敗北し、3番手チームの喜びがはじけた。それに対して敗者のチーム関係者は「相手に対するリスペクトもないチームに上に行かれたのが一番悔しい。なんだよあれは。。。」
スポーツが戦争と異なるのは、相手へのリスペクトを持って純粋に戦う事なんだという事は古い考えなのだろうか?
「Lacrosse makes friends.」という言葉が真にLacrosseの理念として伝わっているのならこの行いはないずの事。又、日本では特にスポーツマンシップという事が重要視される中で、このような姿勢の試合があれば問題視されることになると危惧する。
ひとたび、関東の代表になれば関東のチームみんなから応援されるそういうチームが代表になって欲しい。本来の日本の応援のスタイルもお互いにリスペクトをするところから始まる。それが叶わなかった試合に対する残念な気持ちがあり、敢えて書くことにした。老人の戯言なのだろうか?
★もしかしたら
実は昨年も同様な状況下での試合があった。
一番手チームと2番手チームの戦いが最終戦で、2番手チームが負けると3チーム間の得失点差で3番手チームがファイナル4へ進出する事になるというゲームだ。
結果は
2番手チーム 2 - 8 一番手チーム
3チーム間の得失点差は
最終的に3番手チームがファイナル4へ進出した。そしてこの時敗退した2番手チームが、今回の3番手チームだ。
昨年のその試合で、もしかしたら同様な事が起こっていたのかもしれない(当時は他の取材でこの試合は見ていない。又、同様な事が起こったとも聞いてはいないが。。)しかし、もし同様な被害?を受けていたとしても、それを逆に行うことがスポーツマンとしてふさわしいのか?
これからまだ、リーグ戦の行方を争う戦いの中でラクロスファンとして残念な思いをしたくない。
今回敗者となった大学のキャプテンはチームのSNSで
「 前略 本日応援に来てくださった方々の数の多さと、想いのこもった声援を聞いてこれまで1年間歩んできた道のりは間違えじゃなかったんじゃないかと思うと共に、結果で恩返しすることが出来なかった事が本当に本当に悔しい思いでいっぱいです。
24シーズンはこれで終わりとなりますが、この悔しい気持ちは後輩が必ず晴らしてくれると思います。
仲間を信じる大切さ、このリーグ戦を通して本当に痛感しました。後輩達には、信じる仲間と一緒に25シーズン日本一に輝いて貰いたいと思います。」と語り
HCも
「 前略 一方で、今日の会場の雰囲気が今のXX大の価値だとも思います。
遠方からも応援に来てくれる友人、70人以上の保護者の方々、卒業してから何年も経っている中で久しぶりに足を運んでくれるOBGの皆さん。引退したばかり、もしくはこれからも試合を控えている他大のラクロッサー。そしていつも隣で共に練習をしている女子ラクロス部の皆さん。
数えきれない人の支えがこのチームにはあります。
24XX大男子ラクロスは今日で終わりますが、25.26.27と強いXX大を創るべく今一度精進していきます。」と結び来年への進化に悔しさを変えてくれそうです。
昨年関西学生の男子ラクロスファイナル3で敗戦校の主将が、勝った相手校に対して、「自分たちの想いも載せて次の戦いに向かって欲しい。全国大会で関西1位を勝ち取って欲しい。」と熱く語りかけたことが印象的だった。
会場の誰もがラクロスを、選手を応援する気になったと感じられた。
これからのラクロス、是非そうであってほしい。
因みに、女子の最終戦は先にも書いた通り、第3校の思惑など越えた素晴らしい試合となり、第3校の選手も戦った2校のような試合をできるように来年は頑張るという事を聞かせてもらった。
やっぱりラクロスを「好き」であり続けよう。。。
次回はこの3試合等の詳細振り返りとします。
やっぱりラクロスが好きだ!!
こぶ平