THIS IS ENGLAND
3/18(水)シアターN渋谷
1983年、サッチャー政権下の英国。フォークランド戦争で父を亡くした少年ショーンは学校に行けばベルボなんて女みてーだとからかわれ、とはいえ新しい服を買ってくれとはいえない環境っぽいの。
ある日スキンヘッズのリーダーのウディーに気に入られ、年上の彼らのファッションを真似て遊ぶようになり仲間と一緒に過ごす楽しさを味わっていたが、メンバーの兄貴分であるコンボが刑期を終え出所してくると仲間関係がギクシャクしはじめショーンはコンボのネオナチ思想に感化され・・・
労働者階級の少年ショーンを取り巻く日常と成長を当時の社会情勢や若者文化を背景にリアルにそしてヴィヴィットに描き出した青春映画
Drマーチンのブーツが欲しい!赤じゃないとヤだ!クソ野郎!と乱暴な口きいて二本指立てるショーンがかわいいの。結局もどきのブーツになっちゃうんだけど、家庭の事情はちゃんとわかってるから受け入れちゃうショーンにキュンとなる。
頭を丸めチェックのシャツをインしてロールアップしたジーンズにサスを付け、もどきのブーツを履いたらもう一人前で恐いもんナシ。
先ずナリから入るもんなんだよね。
廃墟をみんなで荒らすシーンなんかはめちゃくちゃなナリだけど普通にかわいかったもんな。外人だから似合うんだろうけど。
ボーイ・ジョージのコスしてたスメルちゃん(臭いって意味じゃないんだって)にキスの初体験もさせてもらう時だって背伸びして生意気なこと云っちゃうのもかわいくって甘酸っぱい青春の1ページを観ているような気分になるんだー。
後半はどっしり重たくなってゆくのだけど、父親を戦争で亡くした孤独な心、父親を誇りに思う心、無意識に父親を求める心がどこかにあるから兄貴のようなウディーではなく父親代わりになりそうなコンボに傾いてしまったのだろうけど、わからなくもなくって。ナリは一人前で恐いもんなしだけど無知だから善悪の区別もよくわかってないし心の中に秘めてたぶつけどころのない怒りがコンボの思想に感化され爆発しちゃう危なっかしさもまた青春なんだ。マリファナパーティーでのコンボと黒人のミルキーのやりとりは背負ってるものの重さに苦しくはなるんだけど強烈な印象を残すいいシーンだった。
音楽が音楽だしトレスポみたいなノリのいい青春モノかと思い込んでたせいか、最初はあれ?と調子狂っちゃった感はあったのだけど、ロケーションやどんよりした空の色、そしてそこに漂ってる空気という表現しがたい雰囲気はたまらなく好みだったし、若者文化を背景に描く青春モノってやっぱスキなんだー。
日本の80年代のダサさとは比較にならないけれど、このテの80年代ファッションは正直カッコイイとは思ってなかったの。ただ劇中で使用されてた曲がカッコイイせいか、舞台がイギリスだからか、全部が全部じゃないけどかわいいなーと影響受けちゃって愛用の鉄板入りマーチン10ホールをやたらとヘビロテ中。今年はケミカルも復活してるし80年代がくるのかもしれない?
とはいえ、こべにさん知らない曲はなかったものの好んで聴いてた曲はなく1983年って何聴いてっけ?ジャパンやカルチャークラブやユーリズミックスやらは聴いてたけどー、て思い出したらZTTレーベルが立ち上がった年だった。そうそうフランキー~、プロパガンダ、アート・オブ・ノイズとかとかデペッシュモードはこのレーベルじゃない?ヴィヴィアンが日本に上陸したのもこのあたりでラブジャケが飾られたショップのウィンドウ眺めに行ってたわー、学校帰りに池袋の文芸座地下でベニスに死すを何度も観たっけねー、セーラー服着てるってのに水商売によくスカウトされたわー、小6から大学生以下に見られたことが一度もなかった哀しい青春時代だったんだわーってな色んなことを思い出しちゃった。
監督自らの記憶を重ねて描いた作品だったからか、自分の青春の記憶も切り取って懐かしんでしまったよー。