38歳女性の裏ハムラ法手術症例です。

 

 
 
 

ハムラ法というのは目袋の膨らみの原因である突出した眼窩脂肪をその尾側の窪みの位置に移動(再配置)する概念で、この操作を瞼の裏側から行う術式が裏ハムラ法になります。
皮膚側から操作しないのでダウンタイムが短くて済む優れた方法なのですが、術野が狭くて手術手技の難度が高いため行っている医者は多くはないと思います。

裏ハムラ法を行っていない施設では、脱脂術(眼窩脂肪の摘出)単独もしくは脱脂術と脂肪注入の併用で対処しているところが多いと思われます。

ある程度以上の大きな手術を考えている患者さんは複数のクリニックでカウンセリングを受けていることが多いです。
そして当院でのカウンセリングで裏ハムラ法をすすめた場合、他院では脱脂術プラス脂肪注入をすすめられたのですが両者で何が違うのですか、あるいはどっちがいいのですかという質問をされる方が多いです。
今日はこの辺りについての私個人の意見を述べたいと思います。

まず、話は変わりますが体表面のどこかにある程度以上の大きさの腫瘍(良性もしくは悪性の出来物)があったとします。
この場合、形成外科医は次の3通りの順番で方法を模索します。

①まず腫瘍を切除し単純に縫合できるものはこの方法を取る
②単純に縫合できないもしくはそれではひずみが大きくなりそうな場合、周辺の皮膚を利用して欠損部を閉じる(局所皮弁と言います)
③周りの皮膚でもやりくりできないほど大きな欠損に対しては植皮(体の他の部位の皮膚を採取して欠損部に張り付ける)あるいは体の他の部位の組織を血管が付いたまま採取しそれを欠損部に移植し血行再建術を行う(血管柄付き遊離複合組織移植といいます)

要するにわかりやすく言えば取るだけで済むものは取る、取るだけではうまくいかない場合は周りの組織を移動する、周りの組織が利用できない場合には離れたところの組織を採取し移植するということです。

そして目袋の膨らみをこれにあてはめると
①の単純切縫が脱脂術に相当
②の局所皮弁がハムラ法に相当
③の植皮が脂肪注入に相当
ということになるかと思います。

脱脂術のみで済む場合はこれが一番侵襲が少ないですが、多くの症例では膨らみのみではなくその尾側の窪みが合併していますので取るだけでなく窪みを膨らませた方がよりフラットになります。
そこで周りの利用できるもので膨らませるやり方がハムラ法ということになります。
ここで重要なのはハムラ法で移動する眼窩脂肪は血管がつながったままの移動であるのに対して、脂肪注入は植皮と同様一旦血行が遮断され毛細血管が新生し血行が再開されるまで4~5日要するということです。

このように一旦血行が遮断されることの影響は植皮術の場合、移植皮膚の拘縮(硬く縮こまること)や色素沈着あるいは壊死(植皮が生着しないこと、つまり植皮の失敗)につながり脂肪注入の場合、生着率の低下やしこりの発生などにつながります。

注入の技術が適切であれば目立つようなしこりの発生は稀ですが生着率の問題は避けられません。
コンデンスリッチファットなど脂肪注入の技術は向上していますがそれでも生着率は約50%ほどです。
ですので単純計算では窪みを埋めるのに必要な量の倍の脂肪を注入する必要があります(実際に倍量注入するとかなり腫れますので若干控え気味にします)。
生着しなかった脂肪は1~2ヶ月で吸収されますので形の完成はこのころになります。
脂肪注入1週間目でほとんで腫れていない症例写真を見かけたことがありますが、個人的には2ヶ月後の完成時には窪んでしまうのではないかと思います。

これにたいしてハムラ法での脂肪移動は血行が維持されたままの移動ですので体積が減少することなく、その結果、手術成績が安定しているように思われ当院では積極的にこちらの方をすすめさせていただいております。

 

 

 

 

47歳女性の裏ハムラ法手術症例です。
裏ハムラ法は瞼の裏側から手術を行うため皮下出血や術後の腫れが少なくダウンタイムが比較的短くて済む非常に優れた方法です。
通常は1週間くらい皮下出血やむくみが出ますと説明して手術に臨みます。
70~80%くらいの症例で1週間後には手術した跡はほとんど目立たなくなりますが、残りの人はもう少し時間がかかることがあります。

 

 
 
 

この患者さんの場合、右側に白目が赤く染まる結膜下出血が顕著に出てしまいました。
私は通常右側から手術するのですが、この症例も何の問題もなく順調に手術が進行し、さあ最後に結膜を吸収糸で縫合して左側に移るだけとなった段階で結膜の縫合中に結膜下の細い血管から出血し見る見る赤く染まってしまいました。
このような場合、出血部位を手で圧迫してなるべくひどくならないようにするのですが、今回は縫合針が貫通した血管がやや太かったのかわずか数秒で真っ赤に染まってしまいました。

 

 
 
 
 

この眼球結膜下出血は見た目は非常に痛々しいのですが、白目が赤く染まっているだけで痛みを含め自覚症状はほとんどありません。
また有効な治療法もなく2~3週間後の自然消退を待つしかありません。
眼球や眼瞼の手術後に稀に起こるほか、眼球打撲などの事故後にも見られます。
裏ハムラ法の手術後に起こる理由としては図のように眼瞼結膜と眼球結膜は結膜円蓋という部分でつながっているため、手術で眼瞼結膜を切開した時の出血が多いと円蓋部結膜を越えて眼球結膜下に出血が浸潤するためです。

 

 

11日後の検診でも右目の結膜下出血がまだまだ目立っています。
1ヶ月後には眼球結膜下出血はもちろん完治し見た目でもほぼフラットな形状になっているのが確認できるかと思います。

 

 
 
 

41歳女性の裏ハムラ法手術症例です。
裏ハムラ法は下瞼の裏側から目袋の膨らみの原因である突出した眼窩脂肪をその尾側の窪みの位置に移動(再配置)する方法です。
皮膚側から操作しないのでダウンタイムが短くて済む優れた方法です。

 

 
 
 

当院では血腫(術後に再出血しその血液が創部の中に溜まって固まってしまう合併症)予防目的に2日間ほど下瞼にテープによる圧迫固定を行っているのですが、この患者さんの場合術後2日目にテープをはがした際、両側の瞼縁の皮下出血と左側の目袋部分の腫れが軽度認められました。


 

 


術後12日目の検診では皮下出血と目袋の腫れは軽快しましたが、今度は今まで無かった涙袋の膨らみが認められました。
涙袋は目を大きくチャーミングに見せる効果もあり、一般的には好まれるもので、この症例でもこのまま膨れていてくれてもいいかなと思うくらいでしたが術後1ヶ月検診時ではきれいに治まってしまっていました。
やはりこの涙袋の膨らみは一時的な腫れによるものだったようです。

以前の記事でも書いたように元々あった涙袋が目袋が膨らんできたことにより目立たなくなった場合には裏ハムラ法で涙袋が復活することはあり得ますが、最初から無かった涙袋が新たにできることはやはりなさそうです。
3ヶ月検診では、涙袋の件は残念でしたが目袋の膨らみはきれいに改善しているのが見てとれるかと思います。

 

 

 

44歳女性の裏ハムラ法手術症例です。
裏ハムラ法は下瞼の裏側から目袋の膨らみの原因である突出した眼窩脂肪をその尾側の窪みの位置に移動(再配置)する方法です。
皮膚側から操作しないのでダウンタイムが短くて済む優れた方法です。

 

 
 
 

当院では血腫(術後に再出血しその血液が創部の中に溜まって固まってしまう合併症)予防目的に2日間ほど下瞼にテープによる圧迫固定を行っているのですが、この患者さんの場合テープをはがした際には術後2日目にもかかわらず皮下出血や腫れは目立っていませんでした。

 

 
 
 

わずかに右の目尻側に皮下出血が認められますが、テープが外れればお化粧が出来ますのでこれくらいであればコンシーラーなどのメークでごまかしてその日から人に会っても手術したことがばれないのではと思うくらいでした。
もちろんむくみのような腫れはありますので一般的には形の完成は1~2カ月先といったところですが、この方の場合腫れが引くのも早く術後11日目にはすでに完成に近いのが見てとれるかと思います。

 

 
 
 

49歳女性の裏ハムラ法手術症例です。
目袋の膨らみの原因である眼窩脂肪をその尾側のくぼみの位置に移動する概念がハムラ法ですが、裏ハムラ法はその操作を瞼の裏側から行うため皮下出血や術後の腫れが少なくダウンタイムが比較的短くて済む非常に優れた方法です。
通常は1週間くらい皮下出血やむくみが出ますと説明して手術に臨みますが今回はそれがやや長引いてしまった症例の紹介です。

 

 
 
 

この患者さんの場合、膨らみとくぼみの大きさがほぼ同程度と判断し眼窩脂肪を一切切除することなく脂肪を尾側(下方)のくぼんだ箇所に移動し骨膜に固定しています。

 

 
 
 

2日後にテープをはがした時には腫れが比較的強く出ていました。
11日目の状態でもまだむくみが残存しているのと、左の皮下出血がやや目立っています。
1ヶ月目の検診でようやくむくみもほぼ治まり形もフラットになりました。

 

 
 
 

 

35歳女性の切開法二重術と目頭切開術の症例です。

 

 

・目の横幅を大きくしたい
・平行型二重にしたい
・目と目が離れているのでバランス良くしたい
このような希望に対して行うのが目頭切開(蒙古ひだのつっぱりを弱める手術)です。


蒙古(もうこ)ひだは、目頭に張っている皮膚(一部眼輪筋も含まれます)で、日本人を含むモンゴロイドの約70~80%にみられる特徴です。
つっぱりの程度は個人差がありますが、目頭側のピンク色の粘膜の部分(涙丘または涙湖といいます)が見られないこともあり、目と目が離れて間延びした感じがします。


効果の大きいW型切開(小川法)等は皮膚を切り取る為、傷が大きくなる傾向があるほか、万一気に入らない場合にも完全には元に戻せないデメリットがあります。
そこまでの大きな変化を望んでいない場合、当院ではZ形成術による目頭切開を多く行っています。
これは蒙古ひだの皮膚を切り取るのではなく2枚の三角弁を立体的にずらして入れ替える方法で、切開線が短くて済み、傷にかかる張力も弱いため傷跡が目立たず、自然な仕上がりとなるのが特徴です。

 

 

 

 



この患者さんは涙丘が完全に隠れてはいなく蒙古ひだはそれほど強いわけではありませんでしたが、目頭切開により内眼角距離(目と目の間の距離)が約2.5mm短くなり大人びた印象の目元になっているのが分かるかと思います。
また切開法による二重形成でくっきりした平行型の二重が出来ています。
二重の切開線および目頭の切開線の傷跡も目立たず、大きな左右差もなく良い結果が得られているか思います。

 

 

55歳女性の裏ハムラ法手術症例です。
下眼瞼は加齢により眼窩隔膜(眼窩脂肪を包んでいる線維性の組織)が弛緩してきて眼窩脂肪の突出をきたし、これがいわゆる目袋の膨らみとなります。
また膨らみの尾側(下方)では鼻瞼溝や瞼頬溝といった窪みが目立ってきて、こちらが下まぶたのクマの原因になります。


ハムラ法というのはこの突出した眼窩脂肪を窪みの位置に移動(再配置)する概念で、この操作を瞼の裏側から行う術式が裏ハムラ法になります。
皮膚側から操作しないので見た目の傷が残らずダウンタイムが短くて済む優れた方法なのですが、欠点もあります。
それは膨らんだ目袋を平らに整地しなおすわけですから、若干の皮膚のだぶつきが生じる可能性があるということです。
 

極端なたるみが生じることはまずありませんが、細かなしわが増加することはあり得ます。
過去の投稿でも若干小じわが増えたと思われる症例やほとんど増加の認められなかった症例を紹介してきましたが、今回は逆にしわが軽減したと感じられる症例を紹介します。

 

 

 
 
 
 

術前の拡大写真を見ると目頭の蒙古ひだから続く下斜め方向に延びるしわをはじめ、その周辺に数本の線状のしわが認められますが、術後の拡大写真ではそれが明らかに減っています(無くなっていると言ってもいいレベルです)。
私自身このような事例は初めてで、なぜしわが改善したのかはっきりした原因は分かりません。(それが分かればしわの改善もできる画期的な裏ハムラ法の開発につながるのですが、、、)
可能性としては眼窩脂肪が再配置されたことにより、皮膚が引っ張られる方向が微妙に変わり線状のしわが目立たなくなったのではないかとか、局所に集中していた皮膚のだぶつきがまんべんなく周辺に拡大したためしわが目立たなくなったなどが考えられますが本当のところは不明です。

 

 

 


この患者さんは術後の腫れや皮下出血もそれなりに出てしまい、ある程度落ち着くのに約1ヶ月かかりましたが最終的には前述のようにしわもなくなったほぼフラットな形態が得られました。

 

 

 


 

32歳女性の埋没法による重瞼術の症例です。
 
 
埋没法による二重の手術はそのお手軽さから最も広く普及している美容整形手術の一つです。
メスを使わないのでほとんど傷跡が残らないこと、腫れが少なくダウンタイムの短いことがメリットです。
 
一方で埋没法は切開法に比べて二重の固定力に劣り、時間の経過とともに二重のラインが薄れたり場合によっては消失してしまうことがあるのがデメリットです。
 
当院ではこの欠点をできるだけ少なくした連続式埋没法(クロスリンク法およびスーパークロスリンク法)も行っております。
クロスリンク法は2本の糸をチェーンのようにつなげて皮下に埋没する方法で2本の糸を別々に皮下に埋める従来の方法(当院ではベーシック2点法と呼んでいます)に比べて取れにくいラインを作れるのが特徴です。
スーパークロスリンク法は3本の糸をチェーンのようにつなげて皮下に埋没する方法でクロスリンク法に比べて目頭から目尻までより長くクッキリとした取れにくいラインが作れるのが特徴です。
ともに当院の院長が前職である大塚美容形成外科在職中に考案した術式です。
 
取れにくい方法というと腫れも大きいのかと思われるかもしれませんが、目立つ腫れは1週間ほどで落ち着き1ヶ月後には希望通りの幅に完成しますので通常の埋没法と腫れ方はそれほど変わりません。
 
  

 
この患者さんは腫れと皮下出血が比較的強めに出てしまい術後2週間目でもまだ二重の幅も広く皮下出血も完全には治まってはいませんでした。
1ヶ月後には、ほんのわずかに左の二重が右より広い感じもしますが、ほぼ希望の幅に落ち着きました。
 
 
 

61歳女性の裏ハムラ法手術症例です。

 

 
 
 

下眼瞼は加齢により眼窩隔膜(眼窩脂肪を包んでいる線維性の組織)が弛緩してきて眼窩脂肪の突出をきたし、これがいわゆる目袋の膨らみとなります。
また膨らみの尾側(下方)では鼻瞼溝や瞼頬溝といった窪みが目立ってきて、こちらが下まぶたのクマの原因になります。
ハムラ法というのはこの突出した眼窩脂肪を窪みの位置に移動(再配置)する概念で、この操作を瞼の裏側から行う術式が裏ハムラ法になります。


皮膚側から操作しないのでダウンタイムが短くて済む優れた方法なのですが、欠点もあります。
それは膨らんだ目袋を平らに整地しなおすわけですから、若干の皮膚のだぶつきが生じる可能性があるということです。
膨らんだ紙風船の空気を抜くとしわしわになることを想像してみるとわかりやすいと思います。
もちろん皮膚にはある程度の伸縮性があるので紙風船のようにしわくちゃになることはないですが、小じわが若干増える可能性はあります。
 

小じわが増えやすい症例としては
①目袋の膨らみがかなり大きく、眼窩脂肪の移動だけでなく一部の眼窩脂肪の摘出を伴う様な症例
②すでに皮膚のたるみやしわがある症例
③40~50才代以降の症例(皮膚の伸縮性の低下が原因?)
などが考えられますので、これに当てはまる場合には術前に十分説明させていただいています。


 

 

 

 

 

このモニター様の場合は目袋の膨らみもそれほど強くはなく眼窩脂肪の摘出は行わず脂肪の移動のみを行ったこともあり、写真を拡大してみてもほとんど小じわの増加は認められないように感じます。
また術後の腫れや皮下出血も極軽度で10日後の検診ではほぼ完成の状態に近いのが見て取れるかと思います。

 

 

 


 

30歳女性の全切開法による二重術です。
切開法の重瞼術の長所は埋没法よりくっきり、パッチリした二重が作れること、そしてそれがほとんどの場合一生維持できることです。
その半面、術後の腫れが大きく一応の出来上がりは約3ヶ月後といったところでしょうか。
一般の人が心配されることの多い傷跡ですが、形成外科出身のベテラン美容外科医が丁寧に手術すればそれほど目立ちません。
 
 
 
 
このモニター患者さんは術前のシミュレーションで化粧映えのする広めのいわゆる平行型二重を希望されました。
この広さの二重を埋没法で作るとなるとやはり相当無理が生じ戻りやすくなると思われます。
 
 
 
広めの二重を全切開法で作ると一般的には相当腫れが長引くのですがこの患者さんの場合、2週間後には早くも落ち着きかけており1ヶ月後にはほぼ希望通りの幅の化粧映えのする平行型二重に完成しているのが見て取れるかと思います。