今回の名所巡りは、地元神戸市須磨区にある
板宿八幡神社を参詣するために
神戸高速線の大開駅から3駅隣の
板宿駅に足を運びました。
現在の板宿八幡神社は、
おらが町の鎮守さん的な小さな神社ではあるのですが
ある伝説と関係する全国で唯一の神社なので
前々から一度は参詣しておきたかったんですよね。
神戸 板宿駅『カルタゴ』
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/1b/9e/j/o0640036015409444385.jpg?caw=800)
現在のチュニジアに位置する所にあった
北アフリカの古代都市『カルタゴ』は、
紀元前3世紀にローマ軍によって破壊されましたが
後年再建されて美しい港湾都市として栄えました。
神戸市板宿駅にある彫刻作品『カルタゴ』は、
阪神淡路大震災で大きな被害を受けた神戸が
カルタゴのように力強く再建し栄えることを願って
建立されました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/52/4d/j/o0640036015409444430.jpg?caw=800)
この彫刻作品『カルタゴ』は、
1996年(平成8年)に天野祐夫氏によって
製作された作品で、象のような亀のような
奇妙な生物の背中には、これまた奇妙な
建物のような何かが乗っかっています。
芸術感覚に溢れてはいない私なので、
幼い子供が描いた絵のような
彫刻作品『カルタゴ』を見て
ファンタスティックとかトレビアンとか
感嘆することはなく、この彫刻作品を目的に
板宿駅まで足を運ぼうとは思えないのですが
2002年(平成14年)の
日韓ワールドカップが行われた際に
この彫刻作品の存在を耳にしたチュニジアの大使が
この彫刻作品を観賞するためにわざわざ訪れたらしい。
震災遺構「止まった時計」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/2a/b2/j/o0640036015409447144.jpg?caw=800)
神戸市須磨区飛松町のプレハブの美容院
『ビューティーサロン西薗』の店前の鉄塔には、
今も震災時に時を刻むのを止めた時計が
そのままの状態で残されています。
神戸 板宿八幡神社 参道
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/40/2e/j/o0640036015409447817.jpg?caw=800)
板宿八幡神社まで続く石段の参道の始まり。
午前の早い時間ではあるのですが
後から一人、また一人と足取り軽く
私を追い抜いていきます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/ba/ee/j/o0640036015409448711.jpg?caw=800)
神戸市大宰府に流された菅原道真公が
九州へ向かう途中、須磨の風波が高く舟待ちをするために
現在の神社境内に里人達が板で作った
簡単な宿を用意して道真公をもてなしたことが
板宿の地名の由来とされています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/0d/e2/j/o0640036015409449339.jpg?caw=800)
901年、菅原道真公は無実の罪を着せられて
平安京から大宰府へと左遷されることになり
道真公の紅梅御殿の庭木で特に愛でていた
梅の木、桜の木、松の木との別れを惜しみます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/38/b7/j/o0640036015409451074.jpg?caw=800)
道真公を慕う庭木の桜は、悲しみのあまりに
みるみるうちに枯れてしまいましたが
梅と松は、道真公の後を追って空を飛びます。
梅は、道真公の暮らす大宰府まで見事に飛んで
その地に降り立ちました。『飛梅伝説』
松は、途中で力尽きてしまい
現在の神戸市須磨区板宿町の丘に降りて
そこに根を下ろしました。『飛松伝説』
千両の木
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/15/kobehana-dokei/8d/e2/j/o0640036015409452745.jpg?caw=800)
903年に菅原道真公が大宰府で亡くなったその後、
909年に無実の罪で追いやった藤原時平が死去し、
京都のあちこちに落雷が多発。
京都中が落雷に見舞われるなかで
不思議と道真公の邸宅があった京都桑原町だけが
落雷の被害に遭わなかったので
人々は、我が所に落雷が落ちないようにと
『くわばら くわばら』とおまじないを唱えました。
これらは道真公の怨念による祟りだとの噂が
広まるなかで京都御所の清涼殿にも落雷し、
菅原道真公の左遷に関与した二人が死亡。
もうこうなると
人々の間で単なる噂でしかなかったことが
噂の域を超えて菅原道真公の祟りであると確定化し、
947年、朝廷の命によって
道真公の魂を鎮めるために京都の北野の地に
道真公を祀る社殿を造営しました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/98/4c/j/o0640036015409456588.jpg?caw=800)
菅原道真公は神様として祀られたことに伴い
神秘的な伝承や伝説が色々と語られることになり
飛梅伝説もその一つです。
普通に考えれば、道真公の屋敷の梅の木が一夜にして
大宰府まで飛んでったなんて有り得る訳が無いので
誰かの創り話でしかないとなるのですが、
飛梅伝説が本当の話だとして考えてみると
誰かの手によって大宰府の道真公の元に
紅梅御殿の梅と松の木が急いで運ばれたことを
飛んでったと言い換えられたとすると
途端に伝説から神秘さが消えて現実味が帯びてきます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/af/16/j/o0640036015409457864.jpg?caw=800)
現在の板宿八幡神社は、境内の敷地は広くはないし、
美しい庭園が有る訳でもなく、
眼を見張る凄い社殿がある訳でもなく、
参詣するためには長く続く石段を
登らなくてはなりません。
そんな板宿八幡神社を
一度は参詣しておきたかった理由は、
そうです。飛松伝説の場所だからなんですよね。
板宿八幡神社
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/2a/69/j/o0640036015409458117.jpg?caw=800)
ようやく着いたあ。着きました。
何でまた空を飛んだ松が力尽きて根を下ろしたのが
ここ板宿八幡神社だとされたのか。
神戸市の三大神社とされている
長田神社、湊川神社、生田神社のどれかではなくて
板宿八幡神社だったのには何か理由がありそうですが
何でもかんでも調べ上げずに
分からないものを分からないままにしておくのも
神秘さが残って面白い。
板宿八幡神社 鳥居
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/4d/c0/j/o0640036015409458180.jpg?caw=800)
この鳥居、以前の写真を見ると白い石鳥居でしたが
朱色の鳥居に代わっています。
おそらくですが
大震災により旧鳥居は倒壊し壊れたので
新しい鳥居が建立されたのだと思われるのですが
間違っていたら御免やっしゃの御免くさい。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/15/ad/j/o0640036015409458242.jpg?caw=800)
板宿八幡神社 社務所
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/ef/94/j/o0640036015409462519.jpg?caw=800)
板宿八幡神社 飛松天神社
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/9e/40/j/o0640036015409462801.jpg?caw=800)
飛松とされる松の木は、高さ30mもあったようで
紀淡海峡を渡る舟人は、飛松を目印にして
針路を定めていたと1701年の書物に
書き残されているようです。
しかし、大正時代に数回の落雷にあったことで
飛松は枯死し、切株がこの天神社に残されています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/5f/bd/j/o0640036015409463186.jpg?caw=800)
天神様を慕って空を飛んでまで
後を追いかけた松の木が
落雷にあって枯死するって何で?
天神様って京都中に落雷を落としまくった
怖い神様なので途中で力尽きた松を懲らしめたら、
やり過ぎたって感じ?
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/7f/07/j/o0640036015409465858.jpg?caw=800)
菅原道真公ではなく
道真公の後を空を飛んで追いかけた松の木に
参拝するのも何か変な気もするのですが………
どこの神社で参拝しても神様に伝える内容は同じ。
そして、天神社に鎮座する飛松に御挨拶。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/5f/e2/j/o0640036015409466158.jpg?caw=800)
なんか菅原道真公の伝説に触れている感じがして
身体が少し震えるような感覚があるのは
道真公が放った優しく緩い電撃を感じているのかもね。
板宿八幡神社 手水舎
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/51/27/j/o0640036015409467187.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/0a/f4/j/o0640036015409467244.jpg?caw=800)
板宿八幡神社 拝殿
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/b1/71/j/o0640036015409467611.jpg?caw=800)
午前中の早い時間にも関わらず
境内を訪れる多くの人とまでは言えないのですが
私が境内に滞在している間は、一人また一人と
趣のある立派な拝殿で参拝して帰っていきます。
富成稲荷大神・本延稲荷大神・船津加稲荷大神
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/5a/60/j/o0640036015409468311.jpg?caw=800)
末社のお稲荷様は、家内安全・商売繁盛の神様。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/5d/cc/j/o0640036015409468382.jpg?caw=800)
毎年、お正月に献灯される稲荷提灯。
昨年は白色の提灯、今年は赤色の提灯。
登山道
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/99/86/j/o0640036015409468519.jpg?caw=800)
この石段の先に奥の院があるかもと
登ろうとしたのですが背中にぞわっと寒気がして
登ることに躊躇していたら
丁度石段上から降りて来た人に
石段の先にあるものを尋ねたら
なんとまあ登山道とのこと。登らなくて良かったあ。
もしも奥の院を目指して
粘り強く登山道を登っていたらどうなったか。、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/da/17/j/o0640042715409471210.jpg?caw=800)
まあこんな山道に出くわしたら
さすがにおかしいと感づくとは思いますし、
仮にこの先に奥の院があったとしても
引き返すわな。
で、朝早くから1人また一人と
絶えなかった参拝者は参拝を目的にというより
登山愛好家の人達だったかも。
板宿八幡神社 旧石鳥井
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/38/cb/j/o0640036015409468661.jpg?caw=800)
この石柱は、恐らくですが震災で倒壊した
旧石鳥居の一部かなと。
境内からの板宿地区の景観
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/16/kobehana-dokei/c5/9c/j/o0640036015409468591.jpg?caw=800)
予定では板宿駅から数駅の所に
梅の名所と言われる神社があるので
そこにも参拝に向かうつもりでしたが
板宿八幡宮に参拝に来ていた人から
そこの梅は散っていると教えて頂いたので
今回は、これで帰宅することにしました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240305/20/kobehana-dokei/6d/d8/j/o0640036015409553349.jpg?caw=800)
元来た石段を下って板宿駅に向かいます。
今回の名所巡りで『飛松伝説』に触れたので
後は『飛梅伝説』となるのですが
飛梅が飛んでった所が福岡県大宰府の太宰府天満宮。
文明の利器を利用して空をひとっとびすれば
一夜も要さずに辿り着けるのですが、
さすがに日帰りは無理があるので
何泊かする本格的な旅行となります。
兵庫県内と日帰り圏内の京都、奈良、滋賀等、
まだまだ訪れたい場所が残っているので
そちらを優先したい気持ちが強くて
いつになるやらです。
催眠療法&心理療法
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