薬剤師まさのりのぼやき -37ページ目

薬剤師まさのりのぼやき

薬剤師だって人間だもの

音が大きすぎて難聴になるレベル。最初から最後まで耳に指を突っ込んだ姿勢で鑑賞した。耳栓持ってきたらよかったなあ。
抗ウイルス薬の散布方法と効果の速さに笑ってしまった。
これってウイルスパニックものにありがちなんだよなあ。

〈例〉
表皮の8割近くが病変に冒されてベッドに横たわるヒロイン。粘膜上皮も損傷を受け、鼻から口から目尻から耳から流血している。もちろん循環器系も呼吸器系もダメージを受けてもはや虫の息。
そこへ届く出来立てホヤホヤの抗ウイルス薬。動物で予め有効性と安全性を確認するシーンが挿入されていればまだマシだが、尺とか愛護団体への配慮でばっさりカットされていることもあるだろう。まあこの場合、投与してもしなくても命に関わるわけだし思い切って治験なんか省略してもいいってことなのかな。でも日本の役人はそういう思い切ったことはしないよな、遺族のクレーム怖いだろうしな……ブツブツ。
それはともかくとして、その出来たてホヤホヤの薬剤を注射したところ、数十分で出血は止まり、呼吸も心拍数も安定し、皮膚症状も消失する。

って、そんなに回復の速い人間がいたら逆にちょっと怖いわ!

それはともかくとして、たくさん失ったけどすごく大きなものを手に入れた。アリス良かったねと素直に思えるいいラストだった。
「おたくで買ったコンドームが破れていた、どうしてくれる!」
というクレームの電話をいただいたのだが、えーっと。

当店ではそのような商品を販売したことはないのですが?

「今日のところは勘弁しといてやる」的な捨て台詞で電話は切れた。
あれはいったい、何だったんでしょうねえ…(稲川淳二風に)。
当番体制の時間帯、少人数で稼働している時の話。
僕が出るときはほぼ忙しくならない。経営的にはどうかと思うけど、一緒に組むスタッフには喜ばれる。
逆に「その人がいると絶対忙しくなる」というスタッフもいて、その人と一緒に居残り当番が当たると「うわぁ…」となる。
僕とその人が組むと、枚数は少ないがその分ややこしい処方が集中して、試合に勝って勝負に負けた、みたいな感じになる。
相乗効果で「●●さんと✖︎✖︎さんがペアで当番に出ると絶対に無事には終わらない」という恐怖の組み合わせもある。枚数の多さもさることながらマニアック過ぎる処方で取り寄せに手間取ったり、怪しげな問い合わせの電話に捕まったり、クレーマーっぽい人が延々粘ったり。この組み合わせの翌日は、延々昨日の愚痴大会になる。

そんなある日。
その日は朝から首を傾げるぐらい暇で、交代でお茶でも飲むかということになった。
1人ずつ10分程度、席を外して休憩室へ。
相変わらず暇で、患者数に大きなピークはない。
僕の番が来て、お茶して戻ったら
引 く ほ ど 混 雑 し て い た 。

以来、あまりに暇で動きのない日は「客寄せの儀式」と称してトイレや調べ物やおつかいなど、用事を見つけて席を外してみる。わりと効果があるようだ。
これって福の神というより、むしろ貧乏が…いや、なんでもない。

高齢者はたいてい横文字に弱い。
併用薬を尋ねると、そのおじいさんもニコニコしながら

「飲んでるよ、エグザイル!」

……イグザレルト、ですよね。