他の支店の担当していた患者さんを当店で引き継いで担当することになり、調剤コメントなどを記載した書類をその支店から取り寄せた。
一目見て絶句した。
なんだこの無駄にエントロピーの大きな記述は!
その店舗でしか通じない暗号。唐突に分包印字フォーマット①や②とだけ書いてある。
あるいは薬情や手帳の発行の有無とか分包に何色のラインを引くかなど、暗黙の了解事項は書いてなかったり。
また書いてあったとしても入力用、調剤用、監査用、投薬用・会計用のコメントがそれぞれ入り乱れ混じりあい、見にくいことこの上なかったり。
確かに一通りやってみれば覚えるし、慣れる。分かりにくいけどまあいいかとなる。
だが、そこをゴールにしてもいいのだろうか。僕はそうは思わない。次の人にスムーズに引き継ぐことまで視野に入れるべきだ。
そこの支店はスタッフの人数が多い割に始終忙しい忙しいと言っているが、こんないかにも効率悪そうなマニュアルじゃあ仕方ない。自分で自分の首絞めてるんじゃないの?
そこの店長に影山っぽく微笑しつつ
「失礼ながら、このマニュアルは二流でございますね」
と慇懃無礼に言ってやりたい気持ちでいっぱいだ。
初見でも戸惑うことなく今まで通りのクオリティのものを提供できる、それが一流のマニュアルだと思う。
どんな小さな仕事でも、極端な話ゴミ箱の配置ひとつにしても一流と二流は存在する。常に一流を目指せなどと固いことを言う気はないが、二流に甘んじてよしとするような仕事を繰り返していれば職場はやがてすさみ、その荒れた雰囲気はいつか必ず患者さんにも伝わると僕は思う。