ずうっと前、まだ新人だったころ、薬に関するディスカッションをしている最中に先輩薬剤師がポケットから医薬品集を取り出し素早く調べ物をしてコメントしていた。その本は今年版にもかかわらず使い込まれてボロッボロで、それを慣れた手つきでめくる仕草がたいそうカッコよく見えた。その姿に憧れて、僕も毎年個人的にポケットサイズの医薬品集を買っている。
特にこれといって決まったものはなくて、なんとなく気分で色々試していたのだが、不思議とポケット医薬品集だけは買ったことがなかった。
情報量が凄いというのは知っていたが、逆にその情報量の濃密さゆえに手を出しづらかったというか。あとあのこってりしたフォントが苦手というか。
例えるなら「軽い気持ちで入ったら、1つ1つはとても貴重なのに資料が多すぎてとっ散らかった感の方が気になる白虎隊記念館」みたいな本だ。いや決して散らかっているわけではないのだろうけど。なんだかはじめの方にいきなり抗生物質が載ってるあたりからして「うっ、そう来たか」と言いたくなる。
それを今年初めて買ってみた。やっぱり情報量が段違いだ。出版時期が他のより遅めだけど、それでも十分戦えるという自信がみなぎっている。なんてエネルギッシュな本!
それはさておき、そうやって毎年医薬品集を買って、あの先輩のようにこれがボロボロになるまで頑張ろうと決意するのだ。
だが現実は職場に備え付けの治療薬マニュアルや添付文書の方についつい手が伸びてしまい、自前の本はほぼ新品の状態のまま。どう見ても「買っただけで安心してしまい何もしてない人」状態です本当にありがとうございました。