『エターナル・サンシャイン』なども手掛けている

ミシェル・ゴンドリー監督の新作で

大人の恋愛映画「ムード・インディゴ~うたかたの日々~」の

特別試写会にご招待頂きました。

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この映画の原作は、
恋愛小説の最高峰と言われている
ボリス・ヴィアンが1947年に発表した
恋愛小説『うたかたの日々』。

最初にお伝えしておくと、
この映画はハッピーエンドではないし、
ロマンティックでフランスらしく、甘くてゆめゆめしい前半と対比的に
リアルな現実と悲しみが後半に展開される、
まさに大人の恋愛映画です。

この映画のタイトル、
『ムード・インディゴ』も、悲しみのブルーよりも
もっと深く悲しいインディゴを意味しています。
原作は「20世紀における最も悲痛な恋愛小説」とも
言われていますね。


働かなくても暮らしていけるほどの財産を持つ
若い資産家のコランと、

肺の中に睡蓮の蕾が根付いてしまったクロエの儚い恋を描いた物語で、
フランスを代表する恋愛小説の1つとして現在でも高い支持を受けています。

キャストは、コラン役に『真夜中のピアニスト』のロマン・デュリス、
クロエ役に『アメリ』のオドレイ・トトゥ。
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『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』 ©Brio Films
– Studiocanal – France 2 Cinema All rights reserved

実験的でアーティスティックな
ミシェル・ゴンドリー監督の作品らしく、
独自の世界観が満載。
カクテルを作るピアノや恋人たちを運ぶ雲など、
原作に登場するイメージも忠実に映像化しています。

途中何度か目を塞ぎたくなるようなリアルも突きつけられて、
胸が苦しくなるのですが、
アート感覚でも楽しめる映画です。

特別試写会の後は、
TV出演や執筆活動、さらにはクラブDJとしても活躍されている
湯山玲子さんの恋愛トークショーも。
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ゲストからの悩みに湯山さんが答えて下さったのですが、
ザクザクきる直球な回答と、

色んな角度からの恋愛話がとても楽しい時間でした。

例えば
『仕事優先で恋人ができません。

どうしたら恋人ができますか?』

というゲストからの質問に、

『元々、恋愛はキリスト教の概念として持ち込まれた思想で、

農耕民族の日本人にとって、
労働と神は一体だったからこそ、
仕事に全身全霊を注ぎやすく、
それをアイデンティティと思いやすい。

考え方を意識的に変えないで、
自然にしていると仕事に向かってしまう。』

と、おっしゃっていました。

なるほど。



ゆめゆめしいラブロマンスだと思ってこの映画を観ると、
たぶん心にガクっと悲しみが残ります。

前半の可愛らしさとゆめゆめしさとは対比的に、

後半のストーリーは、
虚無的に放り投げられ、
すべてが記号となって離れて行ってしまうから。

愛も人生も。


感性的にアート感覚で、
悲痛な恋愛小説としての無常感と、

その中に見出すうたかたの切なさを楽しみたい

大人にお勧めの恋愛映画です。

+fierte meets beautiful woman+


●『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』

http://moodindigo-movie.com/

2013年10月5日(土)から

新宿バルト9、シネマライズほかでロードショー

監督:ミシェル・ゴンドリー
原作:ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
脚本:ミシェル・ゴンドリー&リュック・ボッシ


出演:
ロマン・デュリス
オドレイ・トトゥ
オマール・シー
ガッド・エルマレ