『エターナル・サンシャイン』なども手掛けている
ミシェル・ゴンドリー監督の新作で
大人の恋愛映画「ムード・インディゴ~うたかたの日々~」の
特別試写会にご招待頂きました。
最初にお伝えしておくと、
この映画はハッピーエンドではないし、
ロマンティックでフランスらしく、甘くてゆめゆめしい前半と対比的に
リアルな現実と悲しみが後半に展開される、
まさに大人の恋愛映画です。
この映画のタイトル、
働かなくても暮らしていけるほどの財産を持つ
キャストは、コラン役に『真夜中のピアニスト』のロマン・デュリス、
実験的でアーティスティックな
途中何度か目を塞ぎたくなるようなリアルも突きつけられて、
特別試写会の後は、
TV出演や執筆活動、さらにはクラブDJとしても活躍されている
ゲストからの悩みに湯山さんが答えて下さったのですが、
ザクザクきる直球な回答と、
色んな角度からの恋愛話がとても楽しい時間でした。
例えば
『仕事優先で恋人ができません。
どうしたら恋人ができますか?』
というゲストからの質問に、
『元々、恋愛はキリスト教の概念として持ち込まれた思想で、
農耕民族の日本人にとって、
労働と神は一体だったからこそ、
仕事に全身全霊を注ぎやすく、
それをアイデンティティと思いやすい。
考え方を意識的に変えないで、
自然にしていると仕事に向かってしまう。』
と、おっしゃっていました。
なるほど。
ゆめゆめしいラブロマンスだと思ってこの映画を観ると、
たぶん心にガクっと悲しみが残ります。
前半の可愛らしさとゆめゆめしさとは対比的に、
後半のストーリーは、
虚無的に放り投げられ、
すべてが記号となって離れて行ってしまうから。
愛も人生も。
感性的にアート感覚で、
悲痛な恋愛小説としての無常感と、
その中に見出すうたかたの切なさを楽しみたい
大人にお勧めの恋愛映画です。
●『ムード・インディゴ~うたかたの日々~』
http://moodindigo-movie.com/
2013年10月5日(土)から
新宿バルト9、シネマライズほかでロードショー
監督:ミシェル・ゴンドリー
原作:ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』
脚本:ミシェル・ゴンドリー&リュック・ボッシ
出演:
ロマン・デュリス
オドレイ・トトゥ
オマール・シー
ガッド・エルマレ