最近、京都では新しい観光の波が起きている。

世界中の富裕層達が、
京都に「特別な体験」「学びの機会」を求めてやってくるという。

“人間国宝の職人と語り合いたい”
“一般の人が立ち入れない場所に訪れてみたい”


世界中の富裕層を満足させられる文化が、
京都にはある。


イタリアでは以前より、
靴や香水の職人のクラフツマンシップや
モノづくりの文化に触れたい富裕層の橋渡しとなるような
企業が存在している。

世界に誇れる日本の文化、クラフツマンシップ。

日本の文化と日本の美の奥深さを、
もっと知りたくなって京都を訪れた。


今回お伺いさせて頂いたのは、
元禄年間(1688年)に大寺院御用達の織屋として創業した
西陣織の老舗、「細尾(HOSOO) 」さん。

「人間国宝」をはじめとする卓越した技と
妥協を許さない美への探究心から生み出される作品は、
多くの人に感動を与え続けています。
京都・西陣にあるショールーム「HOUSE of HOSOO」に
初めてお邪魔させて頂きました。

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西陣織について、皆さんはどれくらいご存じでしょうか。


悲しいかな、私もきちんとした知識がなく、、、><


若旦那の細尾真孝さんにお話をお伺いし、

たくさんのことを教えて頂きました。



西陣織とは京都の先染め織物のことで、

1200年前より皇族や貴族のテーラーメイドとして愛され続けてきた

歴史と品格のある織物です。


その当時、西陣織の主流は手織りで、

1日に数ミリしか織り進めることが出来なかったといいます。


本当に本当に貴重な、

ハイエンドな方々しか手にすることのできないものだったんですね。


その後、1870年代にフランスよりジャガード織の手法を持ちかえり、

その織機を導入したことによって、

1日に数メートルも織り進めることができるようになり、

西陣織は革新的な進化を遂げます。


技術の革新によって、

一般大衆でも手の届くものになり、

今でもハレの日を中心に、私達の生活の中にも根付いていますね。


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初めてお邪魔させて頂いた「HOUSE of HOSOO」は、

とても美しく、心地よい空間でした。


窓から降り注ぐ光と緑、

穏やかな空気の中で拝見させて頂く、

美しい日本伝統文化の世界。


流れる時間はまさに至福の時。

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上海を拠点に活動するファニチャーブランド「Stellar Works(ステラワークス)」と、

細尾さんの西陣織のコラボレーションコレクションが展示されています。

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また、細尾さんは

「伝統工芸」を「技」と「素材」にまで解体し、

さまざまな企業やクリエーターに提供するプロジェクトユニット

「GO ON」 としても活躍されています。


「GO ON」

京都の「伝統工芸」と言われてきたものを受け継ぐ

若い後継者たち6人で集まり結成されています。


GO ONのメンバーは、

西陣織の細尾さん、竹工芸の公長齋小菅さん、

中川木工芸比良工房さん、手作り茶筒の開化堂さん、

金網つじさん、宇治の窯元 朝日焼さん。


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どれも生活を美しく、生活を豊かにするようなものばかり。

こちらの書類ケースやiphone・iPadケースも竹工芸でできたもの。
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日本の伝統技術に根差した、
こんなスタイリッシュなアイテムを、
ビジネスシーンで持っている男性がいたら、本当にかっこいい。

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たくさんの金糸を使う西陣織ですが、
その華やかさは単純な若向きな「派手」さではなく、
密やかに奥から輝くような華やかさです。

あるデザインを達成するために、
特殊な糸をわざわざ作るのも西陣の文化だそう。
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日本の美意識らしい、
表面的ではない奥ゆかしい華やかさ。
内側から放たれるような輝き。

今のように派手なジュエリーなどない時代、
西陣織はジュエリーのように、
女性達に輝きを与える存在だったそうです。

心を尽くして創られる西陣織は、
普遍的でグローバルな美しさ。

伝統と革新は相対するものではなく、
革新し続けるその轍が伝統になっていく。


その日本らしい美意識と誇りを体感させて頂く時間になりました。




「伝統工芸」を「技」と「素材」にまで解体し、

さまざまな企業やクリエーターに提供する
プロジェクトユニット

「GO ON(ゴオン)」

http://www.goon-project.com/