動詞の活用「着た」は終止形? | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

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口語文法の動詞の活用は、中2で履修する。

 

授業の演習問題やテストを解かせると、多くの生徒が間違えるパターンの問題がある。

 

昨日、あの服をた。

 

この「着」の活用の種類と活用形を問う。活用の種類はほとんどの生徒が正解する。「ない」をつけて「着ない」となる。私は、「着―ない」の「き」はイ段音で、ア~オ段のうち真ん中のウ段より上のイ段で活用しているから、“上”一段活用、と口を酸っぱくして教えている。

 

間違うのは、活用形だ。上一段活用の場合、「い・い・いる・いる・いれ・いろ(いよ)」と活用する。「着」はカ行だから「き・き・きる・きる・きれ・きろ(きよ)」だ。この活用表を覚えていれば、「着た」の「着」は未然形か連用形かに絞り込める。あとは、下に続く言葉の問題。下に続く主な言葉として「(未然形)ない・う、(連用形)ます・た、(終止形)。、(連体形)とき・こと、(仮定形)ば」を呪文のように唱えさせている。「着―た」は下が「た」なので連用形と確定する。

 

……そのはずなのに、「終止形」と答えを書いてしまう生徒が続出する。

 

この原因ははっきりしている。生徒は「着た」が文末の言葉として捉えている。だから「終止形」と答えてしまう。

 

動詞の活用表を教える前に、活用した形の動詞を言い切りの形(終止形)に直すという練習をする。そのとき、たとえば「服をている」を言い切りの形に直させると、「着た」と答える生徒が結構いる。いやいや、辞書を引くときに「着た」で調べるかい? とツッコむ。すると、「あっ」という顔をして、「着る」と訂正してくる。「た」は過去を表すときにつける言葉だからね、と説明をつけ加える。

 

それにも関わらず、「着た」「見た」という過去の助動詞「た」がついた形が終止形だという意識が抜けない。それで、「終止形」と答えてしまう。

 

これは、もう場数をこなして、その都度、何度も同じ説明をするしかない。

 

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