私立教員の雇い止め問題 | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

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全国の私立高校で働く有期雇用教員のうち、3月末での雇い止め通告を受けた人が少なくとも計204人に及び、有期契約労働者が同じ企業で5年を超えて働く場合、無期雇用に転換できる労働契約法の「無期転換ルール」の適用外になる人が今後、相次ぐ恐れがある。全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で明らかになった。

 

無期転換ルールは非正規労働者の雇用安定を目的に4月から適用が始まる。通告を受けた人の中には4月時点で勤続5年を超え、適用対象とみられる教員も少なくとも10人いた。全国私教連は「氷山の一角だ。ルールを就業規則に入れるなどの対応が必要だ」と訴えている。

 アンケート結果によると、204人は17都府県の45校で働き、常勤講師が82人、非常勤講師が122人。都道府県別では神奈川県が最多で65人、香川県が33人、東京都が27人と続いた。

 アンケートの自由記述では、東京都の高校の教職員組合から「学校側は雇い止めの理由として表向きは授業の評価が低いことを挙げているが、背景に無期転換ルールがあることは明らかだ」との声も上がった。

 全国私教連は昨年10~12月、全国の私立高校にある計590の加盟組合を対象にアンケートを実施、216の組合から回答を得た。(共同)

 

【ことば】無期転換ルール

 2013年4月に施行された改正労働契約法18条に定められた。有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申し出があれば企業は無期契約に転換しなければならず、今年4月から対象者が出る。雇用の安定が狙いだが、企業側が通算5年を超えないような雇い方をすることで、かえって不安定になるとの指摘もある。また、同法では契約が切れて6カ月以上が経過した後、再雇用されれば通算がリセットされる「クーリング期間」が設けられており、企業が同じ労働者を有期雇用で働かせ続ける恐れもある。(共同)

 

(毎日新聞 2018年1月28日)

 

今春は、どこの私立学校でもこれが問題になるだろう。

 

特に非常勤講師で、長年同じ学校に勤めている教師は少なくない。兼業主婦の教師に多いように思う。

 

が、「無期転換ルール」の導入で、採用から5年経つと、「無期雇用」を希望できる。そうなると、学校側としては困ることになる。

 

というのも、私学というのは、民間企業だ。生徒数がどれくらいになるか、年によって変わってくる。非常勤講師は、生徒数の数に応じて採用していくものなので、「無期雇用」を訴えられてもその希望に応えられない。生徒数が減れば、専任の教員よりもまずは非常勤講師の数で調整することになるからだ。

 

だから、どんなに優秀な非常勤講師であっても、採用から5年を経てば、契約打ち切りの判断をせざるを得ない。切られる講師からするとたまったもんではない。が、逆に学校側としても、優秀な人材を失わざるを得ないので、それはそれで痛手を負うことになる。

 

労働者が優位になるように設けられたはずの制度が、実際には不利になってしまう。

 

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