日本一の職員室を目指す!? | 神戸国語教育研究会カプスのブログ

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職員室というのは、変な空間だと自認している。

 

一般的な企業だと、上司の言うことには「はい、わかりました」が当然で、そこに反論の余地はない。

 

だが、教師というのは、かなり個人が尊重される。教頭や部長の言うことに「それはちょっと違うと思いますが……」と否定することがある程度認められる。そして、自分の考えを伝えてそれを押し通しやすい。また、上司もあまりツッコんでこない。「先生」として、年齢差や立場に関係なく、一人ひとりが尊重されている。それが職員室だ。

 

だから、上に立つ人はかなり大変だと思う。気を遣って言葉掛けをしないといけない。

 

なんと楽な職場だ、と思われるかもしれない。

 

が、見方を変えると、上司や先輩から指導・助言が得にくい職場だ、とも言える。教師としてデビューしたら、研修期間なんてないに等しい。一応、初任者研修があったり、指導教員がついたりする。が、教壇に立てば、一人だ。ルーキーであってもその授業は、ひとりに任される。

 

ある学校の校長は「日本一の職員室を」とスローガンを掲げたらしい。個人が尊重されやすいが、裏を返せば統一感がなくバラバラ。だから、職員間での“ほう・れん・そう”をしっかりとして、お互いに支え合い、同じ方向を向いてやっていこう、という趣旨だ。

 

だが、公立の教員に伺ったところ、公立には当然転勤がある。いくらそんなスローガンを掲げても、個人の思いはバラバラで、なかなか同じ方向を向くことは難しいらしい。

 

その点では、私学は転勤がなく、大卒で就職すれば35年以上同じ場所で勤めるのだから、同じ方向性に向くことはできなくはない。

 

私は私学に勤務しているので、中の人として、それはありがたいと思っている。が、それでも、どうしても個人の教育観が尊重される。全員が同じ方向に向いて推進していく、というエネルギーは、民間企業に比べると弱いだろう。

 

でも、これからは少子化で、学校が選ばれる時代だ。優れた教員が何人かいる、というだけでは評価されない。学校全体がどういう教育を目指しているのか、が問われている。1学期の始業式で担任発表があったとき、「ああ、今年は外れだ」という保護者からの声が聞こえるようでは、学校全体の評価の向上には繋がらない。

 

個人の教育観が尊重されるので、まずは個人がしっかりすること。それを抜きにしては語れない。それができたうえで、お互いに積極的に声を掛け合い意見交換をして、より良い方向にしていく。「日本一の職員室」はオーバーかもしれないが、風通しの良い職員室を目指さなければならないだろう。

 

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