新人のときに、何かの研修で「一人称で『先生』と言わないように」と言われたことを覚えている。
ただし、なぜダメなのか、という理由は語られなかった。
私は、非常勤講師だった時代から一人称で「先生」と言ったことはない。自分で自分のことを「先生」と口にするのがどこか気持ち悪いからだ。
本来、「先生」というのは敬称だ。学校の先生、病院の先生、弁護士の先生、政治家の先生。あくまで、他人さんが敬意を込めて呼ぶときに使う。手紙を送るときに、「○○様」と同じように「○○先生」と書いたりする。
だから、教師が自分を「先生」呼ばわりするなんて、「俺は偉いんだ」というニュアンスになってしまう。
教育実習生が一人称で「先生」を使っていたので注意したら、「大学の先生から、権威を示すために自分を『先生』と言いなさい、と指導されました」と言われて驚いた。
自分を「先生」と言わなきゃ威厳が保てないということだろうか。
医者も弁護士も政治家も、自分のことを「先生」とは言わない。教師だけの文化だ。教師とて、同僚と会話するときは、自分のことを先生と呼ばない。相手が後輩の教師であっても、自分を「先生」とは言わない。
会社の社長さんが、社員相手に訓示をするときに、「社長は~」と自分を「社長」と言うはずがない。
何でもかんでも世間一般に合わせる必要はないと思うけれど、やはり教師も一人称は「私」「僕」がふさわしいのではないか。
☆★☆ワークショップのお知らせ☆★☆
2016年1月24日(日)12:30~16:10 兵庫県立のじぎく会館
1.代表挨拶
「『生き方GET BEST10』出版にあたって」
松井仁(神戸国語教育研究会カプス代表)
2.特別研修講座(ワークショップ)
「教員のためのファシリテーション入門~アクティブ・ラーニングを成功させるために~」
青木将幸(青木将幸ファシリテーター事務所)
参加費 3000円(講座テキスト『生き方GET BEST10』代金含む)
お申し込みは、「こくちーず」下のページよりお申し込みください。(先着40名)
http://kokucheese.com/event/index/355500/