政府が24日に決めた2016年度当初予算案は一般会計の総額が96兆7216億円となり、過去最大を更新する大型予算となった。ただ、問題は税収を基幹税である法人、所得、消費税のいずれもが伸びることを前提にして、すなわち5.6%増の57兆6040億円を見込んでいることである。
しかし、この税収は2016年度の経済成長率の見通し(名目3.1%実質1.7%)を前提にしているが、これまでの経済の流れからみると消費税8%となった日本が消費を回復するとはとても思えない。加えて、中小企業の経営もこの消費税が影響して今後の見通しが非常に悪いと言われる中で、所得税、法人税も同様に計画通りには伸びるとも思えない。成長率の見通しに大きな狂いが生ずれば、結果として財政に大きな穴が開くということを考えなければならない。
いずれにしても、机の上での数字合わせの経済成長、税収増ではなく国家を経営するという立場から、消費税8%という世界に類を見ない高率の消費税で本当に経済成長を図ることができるのか、政府として真剣に考えるべきであろう。