大阪の日本画 

第六章 

新しい表現の探求と女性画家の飛躍


大阪では、富裕層を中心に子女に教養として絵画を習わせる傾向が強く、島成園や木谷千種を筆頭に多くの女性画家が活躍しました。


忘れられないのが…



島成園「祭りのよそおい」


これから夏祭りに行くのだろう、華やかに着飾った少女たちが可愛いなぁと観ていたのですが。


着飾って楽しそうにしている無邪気な3人の少女と、その様子を少し離れたところから見つめる女の子。4人の少女の装いを比べると、貧富の差が歴然と描かれているのが分かります。


いいなぁ

私も、おリボンつけたいなぁ。

心の中の少女の想いが伝わってくると同時に、

ぎゅっと胸を締め付けられました。

切ない…


21歳の新進画家、島成園は、

社会的な格差がもたらす少女たちの心の揺れを、

着物や履物、髪飾りや表情を細やかに描き分けて、

見事に表現しました。


まだまだ素晴らしい作品が沢山あるのですが、

全部ご紹介してお腹いっぱいになってしまったらもったいないので、

ぜひ展覧会場でお楽しみ頂けましたら!