東京ステーションギャラリーにて、

「大阪の日本画」


第二章は

文化を描くー管楯彦、生田花朝


明治末から大正にかけて、大阪では新しい表現を模索する画家たちの動きが活発になっている中、

頭角を現し、人気を誇っていたのが、

管楯彦(すがたてひこ)という画家です。


近代化により消えゆく古き良き大阪庶民の生活を温かく表現した「浪速風俗画」を確立しました。


あの横山大観も管楯彦を尊敬し、

谷崎潤一郎は、大阪船場を舞台にした「細雪」の装丁を楯彦に依頼するなど、生涯にわたり親交を重ねたそう。

図録に「細雪」の初版が載っていたのですが、

洒脱で。これを復刊してほしいなぁと願うばかり。



管楯彦「南郭春宵」


菅楯彦「阪都四つ橋」

甘酒をすする親子、天秤棒で反物を運ぶ丁髷姿の男性。店を広げる魚屋や本屋。

画家が想像して、

ここではみな江戸時代の風俗で描かれています。

絵の一番左に描かれている、虫眼鏡を手にした易者が、画家ご本人だそう。

言われなければ分からない笑

そして何故に易者!

きっとユーモアのある人に違いない。






生田花朝「だいがく」

楯彦の弟子であり、女性画家である生田は、

楯彦の作風を受け継ぎながらも、豊かな色彩感覚で、軽やかでユーモラスな作品を多く残しました。

中でも日本三大祭のひとつ、天神祭りを描いた作品は色彩的にも美しく、大阪の人々に絶大な人気を誇ったそう。


三章へ続く。





★許可を得て撮影しています