東京ステーションギャラリーにて、

本日開幕の「大阪の日本画」内覧会へ。



出品作品の画家の名が知らない方たちばかりだったので、どんな展覧会か行くまで想像できなかったのですが…


めっちゃ好きやねん

(急にエセ関西弁)

な作品ばかりで。

個性的で明るく自由で、

素晴らしかったのです。


この展覧会は、東京や京都の画壇の陰に隠れて、その独自性が見えづらかった大阪の日本画に関する

史上初めての大規模展覧会といえるくらい、

画期的な展覧会だそうです。


第一章は、

ひとを描く 北野恒富とその門下


大阪の「人物画」は、

明治後半から昭和前期にかけて、

北野恒富とその弟子たちによって大きく花開きました。


右 北野恒富 「摘草」

左 北野恒富 「涼み」



北野恒富「宝恵籠」


「宝恵籠」は大阪で1月10日の十日戎に行われる駕籠行列のこと。

華やかな装いをして、白塗りの顔に下唇にのみ紅をつけていることから、舞妓を描いたと思われ、

初々しさと緊張感が漂います。

恒富は、「はんなり」とした風情漂う作品を発表していったそう。




北野恒富「いとさんこいさん」


大阪の船場あたりでは、成人に満たない商家のお嬢さんを「いとさん」

その妹のことを、小さいいとさんを意味する

「こいさん」と呼んだそう。

季節は夏。七夕について語り合う姉妹を描いている作品です。


いとさんこいさん

という呼び名、なんとも愛らしい!

絵を通して知る大阪の文化が沢山ありました。


恒富の描く人物は、妖艶かつ退廃的な雰囲気をもち、京都の画家たちから「画壇の悪魔派」と揶揄されたとか。


また彼は画塾を主催したり、大きなアトリエを構えるなどして、多くの後進を指導しました。

その中の一人が、

中村貞以。





こんな鮮やかな朱色が当時あったのか!

と驚くほど、目を惹く着物の色、

アイラインは瞼がピンクで下がブルーという

個性的な配色。

タイトルは「失題」

(なんで失題かはわかりません!)


貞以は、幼い頃に負った大火傷が原因で、

両手の指の自由を失い、絵筆を両手に挟んで描いていたそう。

そんな不自由さを一切感じさせない

自由で勢いのあるから、大阪の街に生きる人々の息遣いが伝わってきます。


二章につづく…




★許可を得て撮影しています