友人に誘われて、シネクイントで映画『カモンカモン』を朝10時から観る。


突然始まった共同生活に戸惑いながらも歩み寄っていく主人公と甥っ子の日々を、美しいモノクロームの映像とともに描いた物語で、びっくるするほど良かった。


そして、主演のホアキンフェニックスが、

5年前の今日、亡くなった叔父と背格好や顔立ちが、あまりに似ていて。

スクリーンの中にいるのが、ホアキンフェニックスなのか、ホアキンの姿を借りた叔父なのか、時々分からなくなるほどだった。

今日この映画を観たのは、叔父からの何らかのメッセージじゃないのか、と思ったりもした。


映画の中で、甥のジェシーが、未来について聞かれると、

「予想したことは、起こらない。予想しなかったことばかり起こる。

だから、先へ進むしかない、先へ、先へ(カモンカモン)」と言った。


あれから5年経って、予想もしなかったことが沢山起こった。社会も、自分自身も。

思い描いた未来には、今、私は立てていないかもしれないけれど、

それでも、叔父が生きててほしかった明日を、私は毎日迎えている。


5年前は、世界中どこを探しても、もう二度と叔父に会えることはないんだ、と絶望感に襲われていたけれど、

5年経った今は、街ですれ違う人に、スクリーンの中に、叔父を覚えていてくれる友人たちの中に、その面影を感じ、再び出会えているように思う。

世界中に、溶け込んでいるのだと。


これからも、たくさんまた、出逢えますように。

そのためにも私は先へ、先へ、

歩いていきたいと思う。






叔父と幼い私。

いつも、くっついて離れなかった。