土方歳三は、健脚だった。
読んでいる本に影響されやすい私は、
最寄り駅の3駅前で降りて、歩いて帰ったり、
最近よく歩くようになった。
土方は俳句を嗜んでいて、一冊の句集を残している。司馬遼太郎著「燃えよ剣」の中では、「おそろしく下手」by沖田総司 とされているけれど、
もう少し詳しく知りたくて、資料を読んでみたら、
好きな俳句がいくつかあった。
手のひらを 硯にやせん 春の山
自らの手を硯にして墨を擦り、一句書こうとする。
春の山に入ってウキウキしている土方が微笑ましい。
願うこと あるかもしらず 火取虫
灯火に寄ってきて、灯油の中で落ちて死ぬ虫を火取虫という。つまり、蛾。
死を覚悟して武士であろうとした土方の気持ちが伝わってくる。
「鬼の土方」と言われていたけれど、
人には様々な面がある。
どの面がその人に強く印象に残るかだと思うけれど、私は土方が詠んだ俳句から、もっともっと、
彼を知りたいと思う。
ただ、残された句集「豊玉発句集」は、
上洛前にまとめられたものであり、以後は作っていたかもしれないが、残されていない。
それがとても残念。
発見されないかなぁ…
それとも上洛後は一切そこを断ち切ったのか。
気になるところ!