今日から東京都美術館で始まる「ハマスホイとデンマーク絵画」内覧会へ。


*許可を得て撮影しています



北欧のフェルメールとも呼ばれるデンマークの画家ヴィルヘルム・ハマスホイ。



「古いストーブのある室内」


静かな日常に潜む、幸福と孤独な影。

降り積もる時間の美しさ。

無駄なものが削ぎ落とされた空間に差し込む光を、ずっと見つめていたくなりました。



「室内ー開いた扉、ストランゲーゼ30番地」

ハマスホイの作品には扉が印象的に描かれているのですが、



会場にも、このように扉が…!


今回の展覧会は、はじめに19世紀末のデンマークの画家たちの作品が展示されていて、最後にハマスホイルームがあるのですが、

よりいっそう、ハマスホイの世界観へと誘われました。



「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」

弾いているのは、きっと静かな曲。

ハマスホイルームに入った途端の静寂な空気が

忘れられない。




あまりに素晴らしかったので、図録も購入。
表紙にもなっているこの作品は
「背を向けた若い女性のいる室内」

ここで描かれたロイヤルコペンハーゲンの
パンチボウルも…


一緒に来日を果たしました。
ひびを丁寧に修復した様子も分かり、
ハマスホイ夫妻をはじめ、代々の所有者が大切に扱ったことが、伝わってきます。


同じく、プレートも。

この二つを所蔵するイェンスンさんの曽祖父は、
ハマスホイの妻イーダの兄だそうです。

「有名な画家の絵に描かれたもの」
ではなく、
「引き継がれてきた家族の歴史の一部」
であること。
デンマークに暮らす人々のライフスタイルが見えてくるようで、素敵だなぁと。

さすが、国連の「世界幸福度ランキング」で何度も1位に輝くデンマーク。

ハマスホイだけでなく、
19世紀末のデンマークの画家たちが描いた作品も、とっても良くて。
北欧の美しい自然や、家族の情景など、
ヒュゲな作品も多くありました。


ヴィゴ・ピーダスン
「居間に射す陽光、画家の妻と子」


ヴィゴ・ヨハンスン
「きよしこの夜」


ラウリツ・アナスン・レング
「遅めの朝食、新聞を読む画家の妻」

家族の穏やかな情景も、
光だけが残る、がらんとした室内も、
どちらにも幸福は宿っている。

受け継がれてきた幸福の歴史と、
静かにじっくり向き合いたい。
そんな「ハマスホイとデンマーク絵画」は
東京都美術館で3月26日まで。