最近、祖父母の家の書棚を眺めるのが楽しい。
今まで自分が読みたい本のことで頭がいっぱいだったけれど、それは今でも変わらないけれど、
祖父母や叔父が、どんな本を読んでいたのか、
とても知りたい。
祖母は生きているけれど、祖父と叔父は数年前に亡くなって、
生きているうちには直接聞けたことも、
今は叶わなくて。
ただただ二人が読んでいた物語を知りたいのだと思う。
田辺聖子の「日毎の美女」は誰が読んでいたの?と祖母に聞いたら、
「おばあちゃんは田辺聖子は読んでいたけど、日毎の美女は覚えがないから、みきおじちゃんか、おじいちゃんだと思う」と言っていた。
最近、田辺聖子を読みたくて、何を読もうかなとwikiで調べたら、著作が膨大にあった。
どれを読んでいて、どれを読んでいない、と、ちゃんと覚えている90歳の祖母の記憶力が素晴らしい。
びっくりしたのは、これを私が手に取って読み始めた日が9月15日だったことだ。
「日毎の美女」は、常に美女が好きで、特に部署一の美女、木原梢に群がる男たちを
冷静に観察しながら働いている女、マメちゃんの物語。
最後の方で松茸がいい感じに出てきて、
今の季節に読むのにぴったりだった。
9月15日発売に納得。
きっと叔父が読んだのではないかなあと思う。
面白かったので感想話したかったな、とちょっぴり寂しくなっていたら、今、後ろで、カタンとなった。