国立新美術館 オルセー美術館特別企画

「ピエール・ボナール展」へ。

 

 

ボナールと言えば、お風呂好きの妻マルトを描き、浴室好きの画家のイメージがあったのですが。

ごめんなさい、ボナールさん。

こんなに多岐に渡る作品を描いていたとは。

言われなければ、ロートレックが描いたと思ってしまうようなポスターだったり、

印象派のような作品だったり。

更にはカメラまで使いこなしていたようで、

彼が撮ったモノクロの写真も展示されていました。

 

時代に翻弄されず(二度の世界大戦のどまん中を生きました)

自分の描きたい絵を静かに描き続けた画家の半生を辿り、

最後に展示されていたのが遺作「花咲くアーモンドの木」

 

この絵の前から動けなくなってしまいました。

それは小さなサイズの作品で。

一本の木に、ふわりふわりと白い花が咲いています。

 

その絵を完成に満足がいかなかったボナールさんは、

もう筆を持つこともできないくらい身体が弱っていたので、

甥に頼んで、左下に黄色い色を塗り足してもらったそうです。

 

来年もまた、美しい花をこの木は咲かせるだろう。

でもその時にはもう、自分はここにいない。

 

生命讃歌であり、同時に突き抜けるような悲しみもある。

 

その想いが、ぐわーんと伝わってきてしまって、

泣きそうになるのをどうにか耐えました。

 

 

展覧会グッズも充実しています。

で、やっぱりボナールさん=お風呂なんだな。

入浴剤や、風呂桶がありました。

風呂桶、、、!

 

この秋、一押しの展覧会です。

ぜひ。