書店で、どーんと平積みされていて気になった本
「出会い系サイトで７０人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった１年間のこと」
著者の花田菜々子さんは、元ヴィレッジバンガードの店長さんで、夫との別居を機に、
出会い系サイトXに登録し、自己紹介には、
「変わった本屋の店長をしています。１万冊を超える膨大な記憶データの中から
今のあなたにぴったりな本を１冊選んでおすすめさせていただきます」
と書く。
このサイトは異性との恋愛目的に限定していなくて、「知らない人と３０分だけ会って話してみる」
というウェブサービスなのだ。つまり男女問わず、様々な職業の、年齢の人と出会えるということ。
そして彼女の旅は始まる。
もし私がこのサイトに登録していたら、彼女の自己紹介を読んで真っ先に会いたい！と思うけれど。
実際始めてみると、本を紹介してもらいたくて会いに来る人だけじゃなかったり、
反対に自分よりよっぽど本読みだったり。
会うまでどんな人が来るか分からない。
それこそ、また会いたいと思う人か、二度と会いたくないと思う人かも、
会ってみないと分からない。
それでも、人との「出会い」というのは、こんなにも面白いものだと。
いいものだと一口には言えないけれど、こんな「出会い」の世界があるんだなって。
未知の扉を次々開けると同時に、著者自身の心の扉が開かれていく様子が
爽やかに伝わってきて、ぐっとくる。
実際にお勧めした本のことも書いてあるので、
これを読んだらますます読みたい本が増えてしまいました。
ということで。「出会い系～」で出会った、益田ミリさんの「今日の人生」
久しぶりに漫画を読みました。一つ一つが、とても短い漫画です。
日々のささやかな喜びとか。誰にも気づかれないような、だけどグサってきちゃった痛みとか。
急に思い出しちゃう大事な人のこととか、隣の会話に聞き耳立てちゃう時とか。
人生は、沢山の今日でできているんだなあって。
手元に置いて、繰り返し読みたい一冊になりました。
というか、すっかり益田さんのファンになって、もう一冊購入しちゃいました。
