エドゥアール・マネ「ベンチにて」
この横顔の女性は、女優。
彼女の芝居を観たいと思ってしまうような、憂いのある横顔の前で、
立ち尽くしました。ポートレイトもない時代ですが、
こんな形で永遠に残るっていいなあ。
ルノワール「レースの帽子の少女」
美人は三日で飽きる、という言葉があるけれど、
本当に美しい人は、ずうっと見ていたいと思う。いつまでも。
「印象派の向こう側ーポスト印象派の挑戦」というテーマで、お目にかかれた、
今年初ゴッホ。
「アザミの花」
ゴッホ最期の地、オーヴェールのガシェ医師の家で描いた
数点の野端の静物画のうちの1点。
原田マハ著「たゆたえども沈まず」を読み、映画「ゴッホ 最期の手紙」を観て、
ゴッホ晩年の作品に強く惹かれている日々。
静かに命がスパークしているような、そんな気がする。
そして。
私的名所その2
「モネ、光の世界へ」
じゃん。
作品の一部になれたような。いえ、なれませんでしたが。
画家の頭の中を覗き見しているような。
ちょっと不思議でよく分からない感じが、ツボでした。
あともう一つ。おもしろい企画が!
美術館内に3か所あるスタンプを重ねていってできあがる作品。
ちょっとずれましたが。
本物は、こちら。
色の魔術師アンリ・マティス「リュート」
戦渦を逃れて滞在した南仏ニースで描かれた1943年の作品。
明るい朱色の空間、植物の緑、ドレスの色が、賑やかに響きあう。
絵だけを見ていると気づきにくいですが、
時代は第二次世界大戦の真っただ中な訳で・・・。
テーマも「画家たちと戦争ー揺れる時代の絵画」「戦後の絵画ー写実と抽象のはざまで」
と、続きます。
絵は時代を映す鏡であり、でもそれだけじゃなくて。
理想とか夢とか。画家たちも必死で闘いながら、自分の世界を確立していったのだと。
そして最後のテーマは
「それぞれの宇宙ー描かれた幻想(ビジョン)」でした。
画家の想い、私の想いが頭の中を駆け巡る、
名画でめぐる100年の旅。
宇宙に放射したそれぞれのビジョンが、輝くあまたの星の如く。
この地上を、今を、照らしているのだろうと。
美術館を出たら、すっかり外は暗くなっていて。
澄んだ夜空に、星がきらりとあんまり綺麗で。
旅のゴールはここにありと。
多幸感に包まれた夜でした。