{E1E3B146-96CB-4B55-8782-6CC1C7F99D0F}
昨日の続きです。
現代アートを堪能した後、ポーラ美術館開館15周年記念展
「100点の名画でめぐる100年の旅」へ。
 
ポーラ美術館所蔵の絵画作品から厳選された100点の名画を、
20のテーマに分け、19世紀半ばから20世紀半ばまでの
約100年間の西洋と日本の近代絵画の流れを、旅するように見る、というこの企画。
image
ちゃんと、旅のしおり、トラベルガイドもあるのがステキ!
 
ガイド片手に、巨匠たちが描いた名画でめぐる時空の旅の始まりは、
1860年~1870年代「大自然を歩くー印象派前夜」
 
なるほど。まずは、当時の風景の中へタイムスリップするのです。
なんとも、自然な流れ。
カミーユ・コローの描く森から、木々のざわめきが聞こえ、爽やかな優しい風を感じ、
次第に呼吸も深く、身体のリズムも穏やかになっていきます(←影響を受けやすい)
 
「雲と煙ーモネとモダニスム」「人物の探求ーセザンヌとドガ」
「光を描くーモネからスーラ」と続き、
 
最初の私的名所「美しき女性たちーマネとルノワール」

 

{322C9241-B82C-47AF-8A4B-B83E55658B44}

エドゥアール・マネ「ベンチにて」

この横顔の女性は、女優。

彼女の芝居を観たいと思ってしまうような、憂いのある横顔の前で、

立ち尽くしました。ポートレイトもない時代ですが、

こんな形で永遠に残るっていいなあ。

 

{FE69DE80-BAD8-4BE3-B664-10CCB6677876}

ルノワール「レースの帽子の少女」

美人は三日で飽きる、という言葉があるけれど、

本当に美しい人は、ずうっと見ていたいと思う。いつまでも。

 

「印象派の向こう側ーポスト印象派の挑戦」というテーマで、お目にかかれた、

今年初ゴッホ。

 

{4FDA3ACF-B06A-4473-9F4A-61C4B1E592A7}

「アザミの花」

ゴッホ最期の地、オーヴェールのガシェ医師の家で描いた

数点の野端の静物画のうちの1点。

原田マハ著「たゆたえども沈まず」を読み、映画「ゴッホ 最期の手紙」を観て、

ゴッホ晩年の作品に強く惹かれている日々。

静かに命がスパークしているような、そんな気がする。

 

そして。

私的名所その2

「モネ、光の世界へ」

 

{870A0B81-EB25-4A23-91F0-06932267BEB2}
image
image
image
言葉になりません。。
近くから、遠くから。行ったり来たりしながら、眺めていました。
 
そんな旅の途中に。
眺めてばかりじゃなくて、作品の中に紛れ込んだらどうだろう?と。
面白い企画を発見。

 

{0BCF783E-4D61-45C9-B758-F6AC35B1F3D1}

じゃん。

{A79F07A5-D650-4BAE-B9C8-60816D70B662}

作品の一部になれたような。いえ、なれませんでしたが。

画家の頭の中を覗き見しているような。

ちょっと不思議でよく分からない感じが、ツボでした。

 

あともう一つ。おもしろい企画が!

image

美術館内に3か所あるスタンプを重ねていってできあがる作品。

ちょっとずれましたが。

image

本物は、こちら。

色の魔術師アンリ・マティス「リュート」

戦渦を逃れて滞在した南仏ニースで描かれた1943年の作品。

明るい朱色の空間、植物の緑、ドレスの色が、賑やかに響きあう。

 

絵だけを見ていると気づきにくいですが、

時代は第二次世界大戦の真っただ中な訳で・・・。

テーマも「画家たちと戦争ー揺れる時代の絵画」「戦後の絵画ー写実と抽象のはざまで」

と、続きます。

絵は時代を映す鏡であり、でもそれだけじゃなくて。

理想とか夢とか。画家たちも必死で闘いながら、自分の世界を確立していったのだと。

 

そして最後のテーマは

「それぞれの宇宙ー描かれた幻想(ビジョン)」でした。

 

画家の想い、私の想いが頭の中を駆け巡る、

名画でめぐる100年の旅。

宇宙に放射したそれぞれのビジョンが、輝くあまたの星の如く。

この地上を、今を、照らしているのだろうと。

 

美術館を出たら、すっかり外は暗くなっていて。

澄んだ夜空に、星がきらりとあんまり綺麗で。

 

旅のゴールはここにありと。

多幸感に包まれた夜でした。