人は、自分のためには頑張れなくても、
誰かのためには、驚くくらい頑張れるときがある。
周りの、猫好きさんたちに熱烈推薦された「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」が、
観終わって、ボブを、ぎゅうっと抱きしめずにはいられない、多幸感溢れる映画だった。
住む家もないほど、どん底の生活をしていたストリートミュージシャン、ジェームスが、
一匹の猫と出会い、人生が大きく変わった実話を映画化したこの作品。
映画の原作は、「ボブという名のストリートキャット」というベストセラーになったノンフィクションで、なんと、映画に出演しているボブは、本物のボブなんだそう!
このボブが実に、いい表情をしていて、、おりこうさんで、
何度も、くううっ!と、なっっちゃう可愛さ!
↑ボブ(本人)
何事にも動じないボブは、
ジェームスが街を移動するときも、お仕事の時(路上で歌う、ビッグイッシューを売る)も、
いつも彼の肩に乗っている。
求められれば、ハイタッチもする。
その様子があまりに可愛く、たちまち街の人気者になるけれど、幸運ばかりは続かない。
そして彼には乗り越えねばならない試練があった、、、。
「がんばれ!」とか「こうすればいい!」とか、もちろんボブは言葉を発することなく、
ただただ不思議なほど静かに、ジェームスに寄り添っているだけの存在なのだけれど。
時々、「ボブの視点」も映像に挟まれていて。
ボブのその時々の気持ちが、こちらに、ずしんと伝わってくるようだった。
ジェームスもボブも、まっすぐで。
どこか似たもの同士なんだなあ。
今まで周りを失望させていたジェームスが、
一匹の迷い猫によって、こんなにも立ち直ることができるなんて。
それが実話だなんて。
迷い猫ならぬ、人生迷い人に・・・
ぜひ観てほしいにゃ。
猫を幸せにする、というささやかな願いが生んだ、大きな奇跡の物語にゃ。
私は今日も、野良猫に近寄ったら逃げられたにゃ。