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澤田瞳子著「腐れ梅」が意外な面白さだった。

平安時代、色を売って暮らす美しき似非巫女、綾児(あやこ)は、仲間の阿鳥から、菅原道真を祀る社を建て、金儲けをしようと持ちかけられる。

やがて道真の孫や、彼の学友である僧侶、最鎮とも手を組むことになるが…

怨霊×巫女で、宗教的な話になるかと思いきや、ひたすら俗っぽく、泥臭い人間ドラマが繰り広げられた。

人は、強いものに惹かれる。
例え、似非であろうと、周りの思惑と合致した時、それは本物になってしまう怖さがある。


それぞれの欲望が四方八方に散らばり、やがて猥雑なエネルギーとなって押し寄せてきた聖なるラストには、手を合わせたくなった。

考えてみれば、神社やお寺の創建の物語はあまり読んだことがなくて。
始まりをよく知らないのに、手を合わせていたかも、と。

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表紙も好き。


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この夏行った、新潟の高龍神社。
階段が100段以上あって!ひるみました。
横にエレベーターもあったのですが、ご利益を考えると、これは階段を上らないと、と。
試されてる気分 笑。

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清々しくも濃い空気が流れていたなぁ。
腐れ梅を読んだ後だったので、この神社の歴史が書かれている看板もしっかり読み。
(南北朝時代、傷を負い生死を彷徨っていた武将が、高龍大神のお告げによって、ここの泉水に患部を浸したら、たちまち快癒したそう)
(でも創建は、大正時代)

手を合わせました。

そんな、晩夏。