読む手が止まらなくて、久しぶりに徹夜。
塩田武士著「罪の声」。圧巻でした。
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日、父の遺品から、
幼い頃の自分の声の入ったテープを見つけます。
その声は、31年前の未解決事件「ギン萬事件」の恐喝に使われていた録音テープと同じ声。
自分は、そして父親は、この事件に関わっていたのか、、、?
父の友人とともに、独自で調査を始めます。
一方、31年前の未解決事件を記事にするため、なぜか突然白羽の矢を立てられた、
文化部の若手記者、阿久津。
偶然にも同じ時期に、犯人の足取りを追う同い年の二人。
物語は、この二人を語り手にして、事件の真相へ、31年前の過去へと迫っていく。
読んでいて、
「ああ!もう!この二人!早く出会って!!」
と、焦れるような思いでした。
どうか、パズルのピースが、ぴたっとくっついてほしい、と願わずにはいられない。
真実は時に刃になる。それが周囲の人間を傷つけてしまうこともある。
しかし、それでも伝えなければならない。突き詰めれば、「いい人」で終われる仕事などない。
後半、過酷な真実に打ちのめされそうになるのですが、
登場人物たちそれぞれが、真実に向かっていく姿勢に、胸を突かれました。
夜中に、落涙。
なだれ込むように、ベッドへ。
でも絶望だけじゃなくて、
前進する力を、確実にもらった気がする目覚めでした。
そんな月曜、朝。