東劇にて、METライブビューイング「マノン・レスコー」を鑑賞。
プッチーニの出世作と言われているこの作品は、
妖艶で奔放な美女、マノンと、彼女を純粋に愛したデグリューの破滅物語。
マノン「あなたが私をさらってしまうの?」
デグリュー「愛が君をさらうのさ!」
なんて言いながら、愛の逃避行に走った一幕の終わりを、あっさりと裏切る
二幕の始まりは、お金と権力がある別の男(ジェロント)のもとで、優雅に暮らすマノン。
でもそんな生活にも飽きてしまったところで、デグリューが現われ、最初は怒っていた彼も、
マノンの魅力に負けて、再び愛を確かめ合います。
そこへ戻ってきたジェロントは、かんかんに怒り(気持ちは分かる)
マノンを逮捕させます(そこまでしなくても)。
そして囚人としてアメリカを追放され(デグリューも、ついていく)
ボロボロになり、荒れ果てた地で、息絶える・・・。(デグリューの腕に抱かれて)
そんな幕切れに、涙する方も沢山いらっしゃるみたいなのですが、、、
私は観ていて、複雑な気持ちに。。。
逮捕されるまで、ちょっと猶予があって、さっさと逃げればいいのに、
「この宝石を置いていけない!」と、じたばたするところとか、、(人間らしいけれど)
自分の心に正直すぎるために、どんどん不幸になってゆく彼女を観ていると、
ありのままに~♪
生きているだけでは、だめだなあ、と思ってしまったり。
それにしても、マノンを演じたクリスティーナ・オポライスの妖艶な美しさと美声、
デグリューを演じた、情熱がほとばしる歌声の持ち主、ロベルト・アラーニャのカップルは、
こちらがドキドキするほど、相性抜群で素敵でした。
二幕が圧巻だったなあ。
同じ二人で、次回は「蝶々夫人」をやるそうなので、
そちらも楽しみです。
プッチーニの春です!