ホテルローヤル話題作を読む。直木賞受賞作 桜木紫乃著「ホテルローヤル」。北国のラブホテルを舞台にした、7つの連作短編集。匂うほど濃いのに、妙に乾いていて。純粋だけれど、足りなくて。おかしくて、哀しかった。優しさって、いろんなところから生まれるものだね。かわいそうだから。後ろめたいから。自分の思い通りにしたいから。やさしくしてくれるから。底が見えないのは、深いからか、暗いからか。自分でさえ、もて余してしまう想いが、染み出しているような小説だった。