3月春期ブルーム観測:その1 | COPE (KU Plankton Lab)

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こんばんは。主宰です。

 

先日、南星丸でのブルーム観測について報告しましたが、3月にも同じ観測を実施していますので報告します。

小型浮魚類の産卵期・仔魚出現期は2月~4月なので、それを網羅できるように南星丸での観測を行っています。熊本県立大学との共同研究で、開始してから10年以上が経過しました。始めた頃はこの観測の面白さをよく理解していなかったのですが、今では我が研究室で最も大切な観測となりました。

小型浮魚類の初期生活史に関する情報を集めるているのですが、仔魚の餌環境はその中でも重要な情報です。そこを鹿児島大学プランクトン研究室で担当します。初心者が困らないよう、サポート役がついてやりかたを覚えていきます。

採取された動物プランクトンは、速やかに実験室で処理して様々な解析に使用する標本に分けていきます。検鏡標本・生物量測定標本・酵素活性測定標本・遺伝子解析標本などです。それぞれ処理方法が異なりますが、慣れてしまえば30分以内に終了します。

この観測では鹿児島湾内~湾外へ観測点を設定していますが、天候・海況が悪くなると危険なので鹿児島湾外に出ることができなくなります。そのため、天候・海況が悪い時用に、鹿児島湾内でできる作業も想定しています。今回は、ハダカイワシを採取することにしています。大型の方形枠に黒色のネットを装着し、リアルタイム監視できる深度計をつけて狙った深度を曳網します。

私の担当する授業でも紹介しますが、このハダカイワシを採取するために魚群探知機(魚探)を利用します。一番赤くなっているところが海底ですが、それよりも上に3つの深海散乱層が認められます。これまでの調査では、一番深いところと次に深いところに中深層性魚類が集群していることが分かっています。そのため、これらの深度を曳網して標本を確保しました。

ようやく天候・海況が良くなり、鹿児島湾外の観測点へ向かうことができました。今晩は硫黄島に寄港予定です。硫黄島は活火山を擁する島嶼ですが、いつもながらすごい風景です。こんなところにも人が住んでるなんてびっくりです。

硫黄島に寄港しても時間・機会を無駄にしないように、標本を採取します。これは、熊本県立大学で研究している沿岸水・沖合水の混合を調べるための調査です。活火山の海岸で滲出する間隙水を採取し、ラドン・ラジウムなどの活火山に特有な成分を分析することで、特徴的な沿岸水のエンドメンバーを決定できます。

説明が長くなってきたので、とりあえず第1弾はここまでとして、第2弾を別の機会で報告します。